8月23日から25日にかけて行われた第15回全日本大学フットサル大会は、多摩大学の初優勝という結果で終わった。令和初の大学フットサル大会を終えて、大会を視察した前立川・府中アスレティックFC監督の谷本俊介氏(現立川・府中TD)と大会を取材したFutsalXの河合拓が大会を振り返った。
河合 Fリーグのクラブを率いていた監督の視点から、Fリーグでもやれそうな選手っていましたか?
谷本 可能性のある選手は、たくさんいたと思いますよ。
河合 大会ベスト5を決めていきたいなと思うのですが、まずピヴォから行きましょう。ピヴォは東北大の……。
谷本 33番! 33番が一番良かったですね。
河合 北畠寛之選手ですね。その理由は?
谷本 PIVOでありながら、下がってゲームメイクしたり、1vs1で仕掛けてみたり、もちろんゴールも取ったりと、攻撃面において全ての役割をこなして孤軍奮闘していた選手でした。彼がボールを持つと何かやってくれそうなワクワク感がありましたね。
河合 アラはいろいろな選手がいましたが、立川・府中でもプレーしている堤優太(桐蔭横浜大)は、抜けた存在でしたね。
谷本 左利きという意味でも入れたいですね。右利きのアラは、結構、甲乙をつけがたいですね。ざっと挙げると、多摩大の南雲颯太選手、丸田健太郎選手。北海道大の足がめちゃくちゃ速かった窪田恵之選手。あとは、東北大のレインボー、青沼聡選手。
北海道大 FP #26 窪田恵之
東北大 FP #32 青沼聡
河合 彼もよかったですね。闘犬っていう感じで。
谷本 愛知学院大の石田開也選手もよかったですね。身体能力がずば抜けていましたね。
愛知学院大 FP #2 石田開也
河合 僕は金沢大学の小菅竣也選手、フィクソでもいいかもしれませんが北九州市立大の中村陸駆選手も良かった印象です。
金沢大 FP #24 小菅竣也
北九州市立大 FP #14 中村陸駆
谷本 でも、総合的に言うと南雲選手かな。
河合 ベスト5に入れるとなると、ちょっと外せないですね。
谷本 フィクソは誰だろうね。多摩大の粕川雄哉選手かな。
多摩大 FP #26 粕川雄哉
河合 ファーストセットの彼ですね。僕が推したいのは、北海道大のキャプテンだった夘都木滉太選手です。守備はもちろん、すごく大事なところで点を取っていました。
谷本 17番ですね。リーダーシップを踏まえても、彼もいいかもしれませんね。
河合 あとは東北大の31番。佐藤大将選手も良いフィクソでした。
東北大 FP #31 佐藤大将
谷本 31番ですね。わかります。でも、今言われると、北海道大の17番ですね。
河合 あとはゴレイロですね。今回は、正直、ゴレイロにこの選手!というのがいませんでした。作陽高校で日本一になり、すでにバサジィ大分でFリーグ出場もしていた大阪成蹊大の橋野司選手に、今大会は違いを見せてほしかったのですが。
谷本 ゴレイロは、東北大の12番・天野倉大成選手でしょう。PKを止めたということもありますし。
河合 7人目までいって、止めたのは2本でしたが、ほとんどコースは読んでいましたね。彼は個性的でしたね。写真を撮っていても絵になる選手でしたね。集合写真からして(笑)。
谷本 多摩大と桐蔭横浜のGKも良かったですが、チームとしての守備力の高い印象はありなおかつ、他のチームと比べて被シュートの数が少ないけれども意外と失点数が多かったので、たくさんシュートを浴びる中でチームを3位決定戦まで導いた東北大の天野倉選手にしましょう。
河合 今年、U-15選手権もU-18選手権も、GKのレベルがすごく高くて驚いていたのですが、この大学選手権は彼以外、記憶に残るGKがいませんでした。だから、本当はピヴォに桐蔭横浜大の菅原健太選手を入れて、ベスト5を2チームぶんつくろうと思っていたのですが、2人目のGKが見つけられなかったんですよね。東京都大会を見た時は、多摩大のGK佐藤塁選手も良かったのですが、今回はちょっと失点が多かったと思いますね。あとは、ここに挙げたような選手たちが、これからもフットサルを続けてくれると嬉しいんですけどね。
谷本 大会中に話を聞いた選手のなかには、この先の視野にフットサルを続けることが入っていない選手もいて、インタビューした時に「逆にそんなに評価してくれて嬉しいです」という感じでしたからね。
河合 立川・府中の強化部長の立場からは、チームに入れてみたいなと感じた選手はいましたか?
谷本 いましたよ。自分がFクラブの関係者だという素性を明かすと、「練習に参加したい」と言ってくれる選手もいたので。
河合 ぜひ、Fリーグのクラブには、こういう選手たちを獲得できるように、経営面などを含めて頑張ってほしいなと思います。ここからFリーグに行って……という選手が増えることが、フットサル界の活性化につながるのは間違いありません。本日は、ありがとうございました。
谷本 ありがとうございました。
【大学選手権】
— FutsalX (@futsalx) August 30, 2019
FutsalX選出大会ベスト5
👟ピヴォ🌟
FP北畠寛之(東北大)
準決勝の桐蔭横浜大戦で大会初ゴールを挙げると、その試合でハットトリックを達成。3位決定戦でも先制点と、大会終盤に存在感を示す。最前線でボールを収めて、シュートに持ち込むだけでなく、降りてきても相手を幻惑させた。 pic.twitter.com/xESCVaozIc
【大学選手権】
— FutsalX (@futsalx) August 30, 2019
FutsalX選出大会ベスト5
✈️アラ🌟
FP 堤優太(桐蔭横浜大)
Fリーグの立川・府中で活躍している能力の高さを示す。一瞬のチャンスを逃すことなく、強烈な左足のシュートで対戦相手のゴールをこじ開けた。FP菅原健太とのホットラインは、桐蔭横浜大の初出場・準優勝に欠かせなかった。 pic.twitter.com/dyP3ZwpNcF
【大学選手権】
— FutsalX (@futsalx) August 30, 2019
FutsalX選出大会ベスト5
✈️アラ🌟
FP南雲颯太(多摩大)
優勝した多摩大をキャプテンとして牽引。初戦となった準々決勝の北九州市立大戦で4ゴールを挙げ、チームを勢いづけた。組織的なチームのなかでも特に戦術的な引き出しの多さを示し、要所で個の能力の高さを証明した。 pic.twitter.com/5tuB3blVDc
【大学選手権】
— FutsalX (@futsalx) August 30, 2019
FutsalX選出大会ベスト5
🛡️フィクソ🌟
FP 夘都木滉太(北海道大)
守備の要として、カバーリングに奔走。守備の舵取り役となりつつ、得点力も示した。初戦の先制点を皮切りに、神戸大と東北大から決勝点、多摩大から2ゴールの計4得点を記録した。北海道大初の3位の原動力になった。 pic.twitter.com/KaM7jRO6s0
【大学選手権】
— FutsalX (@futsalx) August 30, 2019
FutsalX選出大会ベスト5
🥅ゴレイロ🌟
GK 天野倉大成(東北大)
強気な守備で攻撃的なチームを支え、ベスト4進出に貢献した。準々決勝の大阪成蹊大戦のPK戦では、多くのシュートのコースを読み、2本をストップ。イケメンであり、開幕前には関西学生フットサルリーグでも紹介された。 pic.twitter.com/DJPhHnjI8w