【W杯】初戦のアンゴラ戦後のブルーノ監督のコメント「エラーが起きてはいけないゾーンで、エラーが起きた」

【W杯】初戦のアンゴラ戦後のブルーノ監督のコメント「エラーが起きてはいけないゾーンで、エラーが起きた」

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 フットサル日本代表は14日にアンゴラ代表と対戦し、8-4で勝利した。

 親善試合では、なかなか挙げられなかったゴールを8つ挙げたのに対し、守備では親善試合でなかったようなミスがみられて4失点を喫した。

 そのミスをしたのが、中心選手であり、W杯出場歴のあるFP逸見勝利ラファエル、キャプテンのFP吉川智貴という本来は周囲のミスを助けるべき立場の選手であったことに不安も残したが、ブルーノ監督は、修正できる問題としている。

 

以下、試合直後のミックスゾーンでの一問一答

――派手な点の取り合いになりました。試合の感想を聞かせてください。

ブルーノ まずは大事な勝ち点3をとれたこと。日本のW杯の歴史でも開幕戦の初勝利でした。その意味でも非常に重要な勝利だと思います。現実的には、今日の登録メンバーの14名のうち、12名が初めてのW杯であり、スタッフも8人中7名が初めてのW杯でした。そういうところも含めて、非常に重要な勝利でした。大会の進め方という点で言えば、4-0よりも、8-4の得失点差4のほうが、得点で上回れるので、その点でもよかったなと思います。

――いま、それでスペインを上回って首位ですからね。

ブルーノ はい。

――アンゴラについて、あまり情報がなかったということでしたが、対戦した印象はいかがでしたか?

ブルーノ もともとのスカウティングでは、2020年のアフリカ選手権、最近の準備段階でこちらに入ってからの数試合しかありませんでした。ただ、プランニングでは、モロッコが似たような対戦国であり、事前に準備できました。実際に対戦して1対1、スピードであったり、我々が普段味わうことのないタイプの選手との対戦になりました。大事なのは、そういうことを知ること、そして知るだけでなくしっかり勝つことです。

――点も入ったのでいいところもあったと思いますが、時間もないので改善すべき点の話をさせてください。失点のところ、逸見選手のボールキープから失点しました。関口選手は「クリアー」と声も出していた状態でしたが、そこに関してはどう捉えていますか?

ブルーノ 背景には、最初に言ったようにW杯の初戦であったこと、全体的にチームとして経験値がない、そういう背景のなかで起きたという一つの認識です。自分たちのゴールにもっとも近いエリアでのミスは、いまおっしゃった失点だけでなく、今日の4失点はすべて、そのエラーが起きてはいけないゾーンでのエラーでした。大事なのはそうしたものを抽出して、次のゲームに向けて改善することが大事だと思っています。

――セットを毎回4人全員で代えるのではなく、一人ずつ入れたり、サードセットは全員変えたりしていました。これはアンゴラ戦の特有のものでしたか?

ブルーノ まず前半に関しては、全選手がピッチに立つことが狙いとしてありました。セットで変えつつも、ポジションごとに変えて、大枠のセットごとに変えて、全員がピッチに立つやり方でした。後半に関しては、前半のプレーやゲームの流れを踏まえて、一人ずつ代えていく手法を取りました。ただ、これは固定的な自分のやり方というわけではなく、大事なことは、柔軟性を持って、事前のゲームプラン、実際にゲームで起きていることの読み取りのなかかから、柔軟性を持ってやっていくことが、一番大事じゃないかと思っています。

 最後に私から一言、言わせてください。リトアニアまで来ていただくのが、難しい状況のなかで来ていただいたみなさんに、直接感謝を伝えたいと思います。また、リトアニアまで来たくても、来ることができずに、日本やいろいろなところで応援してくれている皆さんにも、感謝を伝えるとともに、この勝利を送りたいと思います。

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以下、アンゴラ戦翌日のオンライン取材での一問一答

JFA 昨日の試合を振り返って一言ください。

ブルーノ 非常に大きな勝利でした。勝ち点3を取れてスタートできたこと。特に初戦らしい厳しい、難しい雰囲気のなかで、また選手14名のうち、12人が初のW杯。スタッフ8人のうち7人が初めてのW杯の舞台ということで、当然、改善すべき点などもありましたが、そのなかでうまくゲームをコントロールして勝利をもぎ取り、当面の目標としている。1次ラウンド突破に向けて、第一歩としては大きな勝ち点3の獲得だったと思います。

SAL 国際親善試合ではなかなかゴールが決まらなかった一方で、8ゴール決まりました。しかし、もったいない失点が4つありました。そこの課題点があれば教えてください。

ブルーノ 4つの失点は、割合でいえば、相手のメリットや強みが光ったものというよりも、私たちの問題が出てしまった失点だったと思っています。1点目の自陣深いところでのボールを奪われるプレー、2点目のキックインのマーク調整がうまくいかずにセカンドポストできれいに合わせられたこと。3点目はオウンゴール、4点目もゴール前での不用意なボール逸失によって始まった失点でした。この辺は、普段であれば考えられない、想定していないエラーが重なりました。これが初戦らしいところでもありますし、先ほど話したW杯での経験不足がメンタル面で響いたかなと思います。こういうミスが起きれば、この先の戦いでは、難しいところもあります。今回のゲームで、この先に向けて修正することが必要だと思っています。

SAL 改善点が見つかったなかでスペイン戦を迎えられるのはポジティブなことだと思いますが次の試合に向けてはいかがでしょうか?

ブルーノ 次の相手も、その次の相手も、この先グループリーグで対戦する2チームは、この前も対戦していて、お互いによく知っている相手です。戦い方は、これまで通りに強みを生かしていき、先ほど見られたミスを修正して戦っていく。それぞれ、戦術的に長けているチームであり、趣向を凝らす戦い方をするチームですので、戦術的にもビッグゲームになると思っています。我々としては今、話したことがしっかりとできるように、良いコンディション、良い調子でゲームに入ることが大事になると思っています。

中日新聞 昨年では代表になれなかったアルトゥール選手が4得点でしたが、彼の働きはどう感じましたか?

ブルーノ 非常に、パフォーマンスに関しては満足していますし、素晴らしかったと思います。アルトゥール選手の4得点は、セットプレーが中心にとったものです。このセットプレーのシチュエーションは、相当私たちが取り組んで、勝利へのカギとして持っているものです。そのスペシャリスト、フィニッシャーとしてアルトゥール選手がいました。それが機能したからこそ、そういうゴールにつながりました。昨年なら彼はいません。ただ、我々の武器であるセットプレーという側面は変わりません。彼がいないケースを考えても、ほかの選手がフィニッシャーの役を買って、受けてもらうことだと考えています。昨日は、アルトゥール選手が調子が良くて、そのスペシャリストである彼が、我々の武器であるセットプレーの好機を生かして、うまくゴールを決めてくれたと思っています。

共同通信 W杯でスペインと対戦することに感慨深いところはありますか?

ブルーノ そうですね。私にとっては、心情的な要因が加わるゲームだと感じます。その心情はプラスアルファのモチベーションを加えてくれるもので、おそらく我々チームだけではなく、相手ももちろん、相手のサポーターも、我々も、我々をサポートしてくれる多くのみなさんも、勝ちたいというモチベーションがあるでしょう。そこにさらに私にプラスアルファの勝ちたいというモチベーションを持たせてくれるゲーム、対戦相手だと思います。このゲームは、この大会のなかで引き続き成長していくというなかでも、非常に大事なゲームになります。当面の目標であるグループリーグ突破に向けても、重要になります。このエクストラのモチベーションをそのパワーに変えたいと思います。

中日新聞 星翔太・星龍太兄弟が同時にW杯の舞台に立ったことは?

ブルーノ 冒頭に話した、初戦以外の様々な要因が加わってということでひっくるめましたが、星兄弟も初めて兄弟でW杯に出場し、しかもアベックゴールを決めました。心情的なファクターで、我々に影響、刺激を与える一つのファクターだったと思っています。しかも、2人ともそろってゴールを決めているという点では、次につながるブーストを加えてくれる要因だと思う。他国を見れば、パラグアイは今回、アジャラ兄弟が外れましたが、サラス兄弟、過去にもマルティネス兄弟と、兄弟でW杯に出ている例はあります。しかし、決して多くはありません。そのなかで昨日のようなゲームで、兄弟そろって試合に出て、ゴールを取るということは、なかなかありません。星家にとっては代々続く、メモリーになるでしょう。

フジテレビ 若い選手2人について。清水選手は負傷でしたが、コンディションはいかがですか? 働きぶりの評価をお願いします。さらに若い毛利元亮選手もエネルギッシュにプレーしたと思いますが、彼らのプレーぶりをどう見てか教えてください。

ブルーノ その2人は、素晴らしかった、よかったと満足しています。ピヴォという専門性の高い、我輪のゲームにも大切なポジションの選手です。二人ともピヴォなので一緒に出ることはありませんが、代わって出ていくことになりますが、清水選手はこれまでも中軸、中核となってくれて、稼働しています。昨日は期待した通りのパフォーマンスを示して安定感をもたらしてくれました。毛利選手は、初めてのなかでも、おっしゃられたようにエネルギッシュに思い切ったプレーをしてくれました。彼に関しては初めての試合であり、ここから間違いなく、大会のゲームを重ねるにつれて、さらに成長してくれると確信できる、そういうゲームだったと思います。

フジテレビ 清水選手について。ちょっと気負い、自分が何とかしてやらないとという思いがメンタルであったかと思いますか? また、相手との交錯もあったので、コンディションはどうでしょうか?

ブルーノ 彼はほかにも、いろいろな心理的な要因もあって、やる気、モチベーションが漲っていた状況だったことは間違いないでしょう。特に彼の立場になってみれば、スペインでプレーしていて、国際的にも知られるようになり、その状況でW杯に初めて出場して、それに見合ったものを見せないといけない。場面によっては、もう少し冷静さがあれば、という場面もありました。ただW杯初出場で、初めての試合をやるということで、成長していく上では、それに応じたものを支払わらないといけない。ただで得られない経験、見識があります。それをしっかり積んだことはよかったと思います。

 コンディションに関しては先月のトレーニングマッチでスペイン戦を欠場しましたが、そこは大事をとって、リスクを冒すべきではないということで欠場しましたが、その後のモロッコ戦では出場して2ゴールを決めました。そこからもトレーニングを積んでいます。まだトップフォームではないかもしれませんが、間違いなくそれに近づいていて、さらにあげていってくれると思っています。

フジテレビ 昨日の交錯の影響はないということですよね?

ブルーノ 後半ですよね? はい。交錯した場面については、そのあと確認して問題ありませんでした。ゲーム展開上、相手がパワープレーを仕掛けてきたり、状況の要求もあったので、出場の調整をしました。戦術的な要因で出場しないことはありましたが、コンディションの問題はありません。

FutsalX 新しく持ち込まれたビデオサポートについて、ブルーノ監督も用いましたが、どんな感想を得ましたか?

ブルーノ 個人的な意見と、事実としての情報面の2つの面で話したいと思います。個人的には、本来は必要なければ良いシステムだと思っています。審判の仕事は非常に難しく、そこを我々がチームスタッフと同じように、生のものをジャッジして進めていく、ゲームをサポートすることがある大変な仕事です。共同する仲間をリスペクトする気持ちがあれば、本来はこういうシステムはいらないのではないかというのが個人の意見です。一方で、テクノロジーとして、こういうものがあることで、審判の判断・決断を助けてくれる、仕事をやりやすくしてくれるという側面で考えれば、これはポジティブにも使えるし、新しいリアリティとして使わないといけません。そのうえで受け入れるというのは、このテクノロジーの意味、趣旨を理解しながら、駆使できるのが重要なポイントです。それを使いこなすことが、新しい要素だと思います。実際にそういうことができるかどうかで、1点取れるかどうかが変わります。昨日も前半の終盤にそれがあって、FKにつながり、そこからアルトゥール選手の得点につながりました。その意味では新しい導入されたリアリティとして、一つの要因として上手に使いこなすことがポイントだと思います。

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