Y.S.C.C.横浜は14日、ミャンマー代表GKピエリアン・アウンと元サッカー日本代表FP松井大輔の新加入会見を行った。会見の第1部には、ピエリアン・アウンが登場。母国でクーデターが起き、日本代表との試合で来日した後、日本に残り、難民申請をしていた。そのなかで、練習参加を受け入れたY.S.C.C.横浜で活動をし、フットサル部門に移ることとなった。
もともとサッカーをプレーしていたピエリアン・アウンがフットサルをやることになった経緯について、吉野次郎理事長は「（サッカーの）練習に参加してもらった7月7日の3日間を見てブランクを取り戻す必要がありました。フィジカル面での力が戻っていなかったことが確認できた。チーム事情としてはJリーグのほうはGKが4人いる。また、トレーニングを見たときに、フットサルのGKのほうが今のタイミングでは、合っているのではないかと思い、GMに投げかけをした」と、説明した。
難民として日本に残った選手が、プレーするのはFリーグはもちろん、Jリーグを合わせた日本フットボール界でも、初めてのことになるという。
渡邉瞬GMは、「8月からトレーニングに参加してもらっています。サッカー選手なのでフットサルにはまだまだ適応しきれていません。しかし、先を見越したポテンシャル、練習に参加しているさまを見て、彼の生活を若手がサポートしたり、トレーニング中のコミュニケーションを見て、総合的にチームにとってプラスになると思って加入を決めました。難民選手として日本人初めての登録。プレーでの活躍は当然、期待しますが、ミャンマーの選手としてプロフットサル選手として、国で起きていること、生で見て感じたことを唯一、話せる人間だと思っている。ピッチ内外で手本になれるような、態度、行動を示してもらい、それを我々はサポートしていきたい」と、コメントしている。
ピエリアン・アウンは、「私の名前はピエリアン・アウンです。ミャンマーから来ました。よろしくお願いいたします」と、日本語で挨拶をした。
また、「横浜と契約ができて嬉しく思っています。加入後、みんなにサポートをしてもらって、家族みたいな存在です。とてもうれしいです。このチームのために、できることを頑張っていけたらと思います」と、意気込みを語った。
背番号25をつけることになった新加入のピエリアン・アウンが、いつFリーグデビューを果たすことになるのか注目だ。
以下、質疑応答での一問一答
――どういう風に取り組んでいきたい？
ピエリアン・アウン 横浜と契約ができて嬉しく思っています。加入後、みんなにサポートをしてもらって、家族みたいな存在です。とてもうれしいです。このチームのために、できることを頑張っていけたらと思います。
――アスリートとして目指す目標は？
ピエリアン・アウン まだ加入したばかりで、考えているのですが、もう少し学んでからアスリートとして、どうやって上に上がっていきたいかを考えたい。
――チームとしても、ピッチ外での活動も支援したいという話があった。今後、どんな活動を考えていますか？
ピエリアン・アウン コロナ禍でもあり移動も難しいですが、東京などでいろいろなところでもデモがあったり、集会が起きたりしています。そういうところに行き、自分のこと、母国のことも広めていく活動をしたいと思っています。
――さまざまなインタビューで「申し訳なかった」と話しているが、どうしてそういう発言をしないといけないのか？
ピエリアン・アウン 申し訳ないといったのは、日本に試合で来たのですが、勝手に日本に一人で行ったこと。家族をはじめいろいろな人に迷惑をかけた気持からです。
――見てほしいプレーは？
ピエリアン・アウン いろんなことを教えてもらい、GKのことなど新しい技を身につけられたらと思っています。
――日々の生活は、どのような生活を過ごしているのでしょうか。
ピエリアン・アウン 朝はフットサルのトレーニングをして、今までは仕事がなかったのですが、代表が仕事を探してくれたので、これからは両方を頑張りたいと思っています。
――今のミャンマーについてどう感じている？
ピエリアン・アウン このままだとミャンマーは、すごく大変な目にあってしまう。いろいろな周りの国、日本をはじめ、多くの国に支援をしてもらいたい。
――今後、日本で活動することで、ミャンマーにどういうメッセージを伝えていきたい？
ピエリアン・アウン ここでフットサルをすることで、ミャンマーで起きていることもいろいろな人に知ってもらいたい。
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