【日本代表】9年ぶり2度目のW杯に臨むFP星翔太「Fリーグがここまで続けてきた一定の成果がこの大会で出せる」

【日本代表】9年ぶり2度目のW杯に臨むFP星翔太「Fリーグがここまで続けてきた一定の成果がこの大会で出せる」

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 FIFAフットサルW杯リトアニア2021が開催されるリトアニア入りしているフットサル日本代表は、大会3日目の14日に初戦のアンゴラ戦を迎える。

 フットサル日本代表がW杯の舞台に立つのは、実に9年ぶり。その時を知る選手は、今回の代表では、FP星翔太と当時最年少だったFP逸見勝利ラファエルの2人のみとなった。

 夢にまで見てきた舞台に立ったアスリートが、様々な思いや重圧に押しつぶされて、本来のパフォーマンスが出せないことは少なくない。そういう時にも、9年前を知る星翔太の経験は、大きな役割を果たすはずだ。

 すでに今シーズン限りでの現役引退を明言している星翔太が、後を継いでいく選手たちに伝えていることとは。

以下、FP星翔太のオンライン取材でのコメント

Fリーグ 2週間ほど前の取材で「止まっていた歴史を動かすチャンス」と話し、監督の言葉を借りて「主役たる大会にしたい」と話していました。あらためてフットサル日本代表はどんなチームで、どこをアピールしたい?

星翔太 フットサル日本代表、今のグループは年齢層も、かなり今までに比べて幅も広いと思っています。年代が下がれば、必ずコミュニケーションにも問題が出ることが往々にしてあります。そういうことが全くなく、かなり集団として完成度が高いグループになっています。僕たちのピッチのなかでいえば、DFの強度が間違いなく武器になっています。攻撃の部分では得点が少ないのですが、同程度の相手であれば、試合を支配できるようなレベルになってきている。そういうところもグループリーグ全体を通して言えば格上が2チームありますが、その試合のなかでも必ず僕たちがが、主導権を握って攻撃できる時間はあるので、そこの部分は注目してほしいと思っています。

中日新聞 ディフェンスの手応えはみんなあると思いますが、攻撃で自信が持てているところと、課題に感じているところは?

星翔太 今の日本代表のメンバーで、フィクソであればアルトゥール、(星)龍太、(皆本)晃といます。それぞれのポジションの選手がいるのですが、それぞれの特徴をみんなが理解していること。それぞれの選手たちの特徴プラスチームの戦術が合致しているのがある。そこの戦術のところで、個々の能力を出すところを見てもらえたらいい。ドリブラーであれば室田祐希、逸見、八木聖人、吉川智貴がいます。彼らがボールを持った瞬間。また逆にいえば、ボールを持っていない時も吉川であったり、フィクソの3人、パッシャン(西谷良介)がいる。ピヴォは分かりやすく張る選手たちがいて、左利きの選手が2枚います。そういう特徴がピッチの中で出るのが、今の日本代表のより強みかなと思っています。

 あと細かいことで言えば、セット間のその瞬間に何を狙っているのか。苦しい時間になった時に、どういう解決策でプレーをするのか。そのすり合わせは、ここまでの親善試合で、かなりコミュニケーションをとっています。実際、昨日のモロッコ戦でも、最後の最後までとられていました。そうしたところの課題感はうまってきていて、本大会はそこの誤差がない状態になると思っています。残りの期間は、そこの部分をコミュニケーションをとって詰めていきたいなと思います。

FutsalX なかなかアンゴラの情報がないなか、昨日のモロッコ戦はアンゴラ対策の意味もあったと思いますが、似たプロファイルということで、実際対戦してどんな印象を受けましたか?

星翔太 前回(2012年)のW杯の時にリビアと戦っているのですが、その時もシステムがないんです。今のフットサルは、システムに、どの選手も、どの国も、ものすごく慣れています。そのなかでシステムがあまりない。オーソドックスに真ん中で、4人でプレスにはまらないように回避して、シンプルに縦に早いというか。ワンツーを狙ったりする。ピヴォを置くよりは、サイドで1対1を仕掛けて、そこで個の能力を生かしてくる。ディフェンスでは、自分たちのリーチを生かして、手も使って、かなり飛び込んできて、予期せぬディフェンスもしてくる。そうしたところは、システマチックに考え過ぎるとハマってしまう。予期せぬプレーが多いし、初戦の相手のアンゴラも同じような感じかなと思っています。とはいえ分析している映像を見ているわけではないので、情報と少しの映像で予測しているところです。

FutsalX アフリカのチームはゴールを取ると勢いに乗る印象がありますが、昨日の試合ではモロッコを完封したので、そうした状態になりませんでした。戸惑わないためにも、余計に先制点が重要になるかなという気がしているのですが?

星翔太 もちろん先制点は、どの試合でも大事です。それを取れば試合を優位に進められるのは、もちろんあります。ただ、焦れないことがすごく大事だと思っています。どんなにシュートを打っていても、GKが止めることもある。少しのタイミングで枠を外れることも、良いディフェンスに阻まれることも間違いなくあります。そこでフラストレーションをためずに、自分たちがやるべきことを整理できるか。一喜一憂せずに、淡々と……淡々とというと変ですが、自分たちのやるべきことをやり続けられるかが大事です。先制点というよりは、そこに集中して、とるべきチャンスに仕留めることが大事だと思っています。

FutsalX W杯に出たことのある選手が星翔太選手と逸見選手の2人だけです。大舞台で本来の力を発揮できないアスリートは、他の競技にもいますが、経験者として伝えたいこと、実践したいことがあれば教えてください。

星翔太 W杯だからとかではなく、日本代表がどういう立ち位置のものかは伝えるようにしています。少なくとも、今のこの16人に選ばれるまで、多くの人たちがいて、その前にも歴史をつないでいる選手たちがいました。そういう人たちの積み重ねが、今にあるとは伝えていますが、その責任を背負いましょうと言って背負えるものでもありません。どちらかというと、そういうものの緊張感は、試合で、プレーで感じる。ピッチのなかでは、こういうことをしたらいけないということを練習や試合から感じたりすることが大事だと話しています。とはいえ、それがすべてではない。もともと自分たちの持っているスタイル、個性は消えるものではない。それを出すことにも集中してほしい。感じられるものはやっていくなかで感じられると思うので、あまりそこの意識を強くしないことが大事だと思います。いまが史上最強かどうか分からないですが、Fリーグがここまで続けてきたある一定の成果がこの大会で出せると僕は思っている。その意味では、みんなに伝えているのは、自分のやれることを最大限やろうということ。それとプラスアルファ、自分が思っていることよりも、アクション。行動を取ろうというのは伝えています。これくらいでいいかなというのではなく、これができそうだと思ったら、なるべく行動をとるようにと話をしている。そういうことが、ピッチでは出てくるのではないかなと個人的に期待しています。僕個人は、そういうことをなるべく行動で示して、次の世代にバトンを渡せるようにしていきたいなと思っています。

FutsalX ありがとうございます。

星翔太 ありがとうございました。めちゃくちゃまじめな回じゃないですか、皆さん。どうなってるんですか(笑)。

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