【日本代表】FP清水和也がW杯で背番号『9』を選んだ理由「マサの分も頑張りたいなと思って」

【日本代表】FP清水和也がW杯で背番号『9』を選んだ理由「マサの分も頑張りたいなと思って」

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 スペイン・ポルトガル遠征を行っているフットサル日本代表は、この遠征中にW杯の最終登録メンバー16名を発表した。その時に6名の選手の背番号が変わっていた。そのうちの一人が、FP清水和也だった。

 フウガドールすみだ、U-20フットサル日本代表では「11」、スペインのコルドバでは尊敬する元フウガドールすみだのFP太見寿人の背番号でもあった「8」を背負う。AFCフットサル選手権チャイニーズ・タイペイ2018とタイ・ソンナム(ベトナム)の一員として出場して大会得点王に輝いたAFCフットサルクラブ選手権の時も「12」だった。

 選手が自分で背番号を選べる時、これまで付けていた番号であったり、愛着を持っている番号をつけることが多い。だが、今回、清水が選択したのは、彼とほとんど接点を見いだせない「9」だった。

 これまでも、日本代表で偉大なストライカーが付けてきた背番号を、清水が選んだのは、国内での最終合宿にも参加していたが、負傷の影響もあって、今大会の出場を見送ることになったFP平田ネトアントニオマサノリに対する思いからだった。

以下、オンライン取材での清水和也の一問一答。

Fリーグ モロッコ戦お疲れ様でした。2ゴールを決めたということでしたが、どんなゴールだったか教えてください。

清水 まず1点目がセットプレーからで、2点目はカウンターから、最後はアルトゥール選手からの落としをゴールに決めた形です。ゲーム展開としてモロッコ戦は、前半に苦しんでいた部分もありまして、なかなか思うように攻撃が進みませんでした。なんとしてもセットプレーで点を取りたいと、チームとして話をしていた部分もあったので、その部分で良い形でセットプレーで点を取れた。その後は、思うように試合を進められた。そこでダメ押しの3点目を決められたのは大きかった。苦しんだ分、セットプレーで取れたところ。相手を突き放す、ダメ押しのゴールを決められたことはよかったかなと思っています。

Fリーグ W杯前、最後の試合となりましたが、ここまで6試合を終えてアンゴラ戦や大会に向けて、手ごたえやヒント、感じたことは?

清水 この6試合は自分たちにとって、非常に大事な6試合だったかなと思っています。コロナの影響で、約1年半試合ができなかったこともありましたし、試合感覚で取り戻せたこともあります。さらに課題、チームの強みが、またしっかり見えたことで、W杯のアンゴラ戦に向けて、自分たちがどうやっていくか、しっかり定められたと思う。セットも固定されたので、より深い話であったり、共有する部分が明確になったと思います。非常に初戦が楽しみですし、しっかりとそこに向けて残りの時間は準備していきたいと思います。

中日新聞 試合結果しか見ていないのですが、課題としては、チャンスをつかむ、チャンスを得点に結びつけるところで苦戦していると思うのですが、どこを改善したいと考えていますか?

清水 まず僕たちの持っているコンセプトは、高い位置からの守備がテーマです。高い位置でボールを奪うことは、そのままゴールに直結できます。まずはその部分を大事にしている。攻撃に関しても、各セット特色のあるセットになっているので、その強みを出せるかどうかが重要になってきます。特に僕が今いるセットは、アルトゥール選手、逸見選手、吉川選手もそうですが、非常にタレント性があるなかで、どうやってタレント性を引き出すか。どのように強豪国と対等に戦うかというところで、代表のなかでもポイントになるセットなのかなと自分でも感じています。そのなかでゴールが取れている部分は、このまま継続して持っていきたい。セット間での課題もですが、チームとして全体的に点を取れていない時間が長いことについては、DF面もそうですが、攻撃面でも改善していかないといけない。最後は気持ち、勢いをグッと手繰り寄せる力が必要になると思いますので、自分の特徴でもある勢いというところで、チームをもっと活性化させられるようにやっていかないといけないと、昨日のモロッコ戦でも非常に感じました。そこがカギになってくると思うので、高い意識をもって、しっかり出せるようにやっていきたいなと思います。

SAL ファーストセットはタレント性が高いと思いますが、手ごたえと課題はどこに感じていますか?

清水 僕らのセットだけではないのですが、自分たちがやりたいことをピッチ上で体現する部分に関しては、全セット共通してできている部分が多いのかなと思います。ただ、完成度を高めないといけないなかで、どうしてもうまくいかない時の修正を促す姿勢がたくさん見られています。僕としては非常に手ごたえも感じている部分も多いのですが、それでも本番に何が起こるかわからない。チームとして、しっかり修正できている部分は非常にいいのかなと思います。

 僕らのセットの課題は、どうしても、うまくいかなかった時間があった時にセット間で「どうする」「こうする」となった時は、タレントに頼らざるを得ない時間帯が出てきてしまいます。そこはもっともっと改善をしないといけない。僕も、うしろの3人のタレント性を引き出しながら、うまく自分の力を発揮しないといけない。そこは、もっともっと改善しないといけないと思っています。

 ただ、そういう時間帯でも自分の持ち味である勢いで、周りの3人をぐっと引き寄せられると思うので、自分のやることをブラさないことが重要になると思っています。あとは、非常に頼もしい3人とセットで組んでいます。僕がケガをした際にはセットが変わっても、誰が出ても変わらないような、日本フットサルのスタイルを貫けるメンバーがそろっています。出たメンバー全員が、自分のタレント性を出せる集団になってきているので、誰と出ても同じようなことができるのは一つの強みかなと思っているので。そういう部分ではセットに限らず、一人ひとりがタレント性をどういうふうに出せばいいのかを考えながらプレーできていると思います。本番は、一戦一戦が大事になってきます。ここからケガを含めて、何が起こるかわからない状況のなかで、勝っていかないといけない試合が続くので、気を引き締めて、さらに残りの期間で向上ができるようにやっていきたいです。

SAL 強度の高いプレスが利いていると思いますが、そこからのカウンターが得点につなげるうえで大事になると思います。20メートル×40メートルのピッチのなかで、どのへんで、誰がどういう位置でボールを取りたいとかは具体的に詰めていますか?

清水 理想としては、細かい何メートルかという話より、相手の陣地でボールを奪うことが重要になってくると思います。また自分たちの陣地でボールを持たれているのは、失点をする確率が高くなっていることです。なので、極力、前で取り切りたいと思います。必ずしもゴールに直結しなくても、高い位置でのキックインも獲得できたりします。相手の陣地でボールを奪いきることが、ポイントになるかなと思います。僕らのセットで言うと、吉川選手がプレスをかけることで、アルトゥール選手がフリーでボールを奪う確率が増えたり、吉川選手が一列目に残るのであれば、2列目の僕とか逸見選手が強く行ける強みがあります。これに関しては、セットがどうというより、フットサル日本代表として、そういうセオリーをもってプレーができているのが強みだと思います。実際にポルトガル戦の2得点目は、僕がボールを奪った後のカウンターで点を取れています。それ以外にもカウンターでの得点は実際にあるので、そこを積み重ねていけば、間違いなく相手に主導権を握らせるよりは、自分たちが主導権をもって試合を進められるので、その意味では生命線がプレスかなと思っています。

FutsalX 親善試合でかなり得点が取れていると思いますが、その状況で大会を迎えられることはどうですか?

清水 個人的にも代表活動から遠ざかっていた部分もあって、最初は不安も大きかったのですが、1回1回の練習を重ねることで、チームとして非常に成熟できていると感じます。また、自分の強みを発揮することが、あらためて明確になってきているので、何の迷いもなくプレーができているのが、良い部分だと思います。前の選手としてスコアを残すのは、仕事の部分なので、その意味では、まだまだ足りないかもしれませんが、結果を残しているところは評価していいかなと思います。ただ、一番重要なのはここから始まるW杯。ここで点を取れないと意味がないと思っているので、今まで良かった部分は継続しますが、自分自身もしっかり気持ちをリセットして、初戦から自分の仕事ができるようにやっていきたいです。

FutsalX 得意な状況では清水選手がすごく力を発揮できるのは分かっていますが、AFCフットサルクラブ選手権にタイ・ソンナムの選手として出た名古屋戦では、ボールを受けられずに苦労していました。ああいう守備をしてくる相手もいるかと思いますが、その時には、スペインでやってきた4-0の経験も生かせそうですか?

清水 もちろんチームとして3-1、4-0を使い分けることは重要な部分だと思っています。ただ、自分の役割は、なるべく高い位置でボールを収めること。そこに関しては、自分もしっかりやらないといけないと思っています。昨年、1年間、スペインリーグでやった手ごたえも、各国のフィクソたちと対峙したことで、自分自身もバリエーションが増えたというよりは、バリエーションも大事ですが、なるべく高い位置でボールを受けることが重要だなと思っています。自分たちのセットを考えると、そこができるかできないかで、いろいろ流れが変わる。まずはそこでしっかり戦うことが、重要だなと思います。そこで、できなかった時に、初めていろんなバリエーションを使うべきだと思っているので、まずは純粋に底のバトルに負けないことが重要だと思っています。

FutsalX W杯の登録背番号が9番になりました。あまり清水和也=9番のイメージがないのですが、どういう理由から希望したのでしょうか?

清水 番号に関しては、僕自身、ブルーノ・ジャパンになってから、長く、マサ(平田ネトアントニオマサノリ)と一緒にやっていたこともあって。皆さんが、想像する9番っていうのは、現時点ではマサが付けていた番号だと思います。直前でのケガがあり、メンバーを外れてしまったこともあり、僕自身寂しい思いもありますし、彼の分も頑張りたいなと思って、9番に立候補させてもらいました。マサだけじゃないと思いますが、いろんな人が応援してくださるなかで、自分自身、日本代表の歴史を振り返った時に、9番というのは非常に重要視されている番号でもあると思っています。そういう責任であったり、誇りを継承する意味でも、自分が付けてもいいんじゃないかと判断しました。この場所に立てているというのは自分一人の力ではなくて、いつも支えてくださる方々の支えがあって、自分はここに来れていると思うので。いろんな人の思いを背負って、ピッチに立たないといけないと思っています。そういう意味では、たくさんの方々の思いを背負い、9番を付けて戦っていきたいなと思ったので番号変更をお願いしました。

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