【日本代表】「フットサル界を盛り上げるには、W杯で注目を浴びるしかない」最年少20歳FP毛利元亮が示す成長

【日本代表】「フットサル界を盛り上げるには、W杯で注目を浴びるしかない」最年少20歳FP毛利元亮が示す成長

 あるU-20フットサル日本代表の候補選手は、冗談めかして言った。

「(毛利)元亮くんがW杯に行っちゃうと、経験値で圧倒的な差をつけられちゃう」

 今回、コロナ禍で取材が制限されるなか、フットサル日本代表の選手たちの声を聞くのは簡単ではない。毛利がキャプテンを務めていたU-20日本代表合宿、その後のフル代表のオンライン取材、他国が配信してくれる試合の映像と、姿を見られる機会は限定されるが、そのたびに成長に驚かされる。

 同時に今回のオンライン取材では、フットサル日本代表の先輩たちが、この20歳に自分たちが引き継いできた想いや経験を伝えていこうと感じていることも、強烈に伝わってきた。

 ほんの数カ月前、まだどこかお客さんで、『自分は学びに来ている』『経験を積みに来ている』といった感じだった若手の姿は、この日のオンライン会見では見られなかった。日本代表の一員としての意識を持ち始め、一つひとつのプレーや立ち居振る舞いが持つ責任を認識しているようだった。

 その姿勢や言葉は、今後、彼がいる場所を目指す同年代の選手や彼より若い選手たちにとっても刺激になるはず。そして、同じくW杯未経験であるFP清水和也ら、上の世代の選手たちにも。

 日本代表に選ばれた直後、毛利は「自分は一番下」と自認しながらも、有言実行でW杯メンバー入りを実現した。「まだピヴォとしては3番手、4番手」という今の序列をひっくり返し、限られた人しか立てないW杯のピッチに立つ権利をつかむために、まだまだ爆発的な成長を続けてくれるはずだ。

 以下、オンライン取材での毛利元亮のコメント

Fリーグ あらためてW杯メンバーに選ばれた感想、ファン・サポーターへ向けたメッセージをお願いします。

毛利 まずこのように選んでいただいたことは、とてもうれしく思っています。本来であれば昨年行われていたW杯で、その時点ではリストにも入っていない選手でした。この1年で成長を見せることができたのかなと思っています。前回のW杯に出られなかったところで空いてしまった4年間を、自分たちがどのようにしてフットサル界を盛り上げていけるかが、今回の大会はとても重要になると思います。そこはファンの皆さんにも期待していただけたらと思います。

SAL この1年で目覚ましい成長を遂げて代表に初招集されて、W杯メンバー入りがあると思いますが、この1年をどう振り返りますか?

毛利 (2019-20)シーズンの初めの頃はあまりうまくいっていないところもありましたが、シーズンの後半にかけて出場時間も増えて、自分のプレーを見せることができるようになったと思います。その結果、得点を取ることができて、新人賞という賞をいただけたかなと思います。

SAL スピード出世じゃないですが、環境の変化、身の回りの変化に驚きはありますか?

毛利 そこまではないと思います。やっぱり1シーズン目は森岡薫選手がいて、2番目のピヴォという立ち位置でプレーしていました。薫さんがいなくなって、自分がやらないといけない立場になったことは、自分の周りの方々も分かっていたと思いますし、その期待に応えて行けたかなと思います。

SAL 今、名前の挙がった森岡選手だったり素晴らしい選手が多くいるなかでW杯メンバーに選ばれましたが、この大会でどういったことをなし得たいですか?

毛利 まず、たくさん素晴らしいピヴォがいるということは事実で、その選手たちを差し置いて、自分が呼んでいただけている一つの理由はまず気持ちの面だと思っています。誰よりも戦うところであったり、勝負に対する気持ちは持っていると思うので、そういうところでチームに鼓舞する、チームにプラスを与えられるような方向に持っていきたいと思います。

SAL 昨日まで世界の強豪を含めて、何試合か試合をしたと思いますが、感想をお願いします。

毛利 やっぱり日本のFリーグでやっている対戦相手とのレベルは雲泥の差があると思いました。一つに審判の判定の違い、スピード感が全く違うものをこっちで感じられています。そのなかで自分ができていること、できていないことが、試合を重ねることではっきりわかってきています。この課題は、今すぐに変えられる問題じゃないと思いますが、W杯の残りの期間で課題を克服して、長所を伸ばし続けたいと思います。

SAL 今、話していた課題、できている部分を具体的に教えてください。

毛利 まず課題はフィジカル面。日本ではフィジカル負けしないところが、やっぱり選手の体の大きさで海外の選手たちとは差があります。そういったところでのフィジカルのところ、相手のスピードが、選手の足の速さもありますが判断スピードが違っています。自分の判断スピードでは、足りていないなと感じています。今できているところは、ディフェンスの部分、前からのプレッシャーは少しは強豪国を相手にもできていると感じています。

SAL チームとしてディフェンスが機能している一方で、ピヴォは特に得点、攻撃のところが求められると思いますが、そこに意気込みを聞かせてください。

毛利 現状、出場時間は長くないなかで、ワンチャンスをどれだけ決められるかがカギになると思っています。自分が出たときにチャンスがあれば、必ず決めたいと思っています。

FutsalX 代表キャップゼロで今回の遠征に選ばれて、ピッチ内外で経験を積んでいると思います。先ほどピッチ内の話がありましたし、4年前の話をしていたのですが、これまであまりそういう話はしていなかったかと思うので、先輩から聞かされているのかなと想像するのですが、合宿内で代表の先輩から得ている刺激があれば教えてください。

毛利 (星)翔太さん、(清水)和也くんというピヴォがいて、3番手、4番手のピヴォになっている現状があると思います。正直、得ることしかない合宿になっていますが、そのなかでも、(吉川)智貴さんだったりとか、いろいろな方から、そういう話は自分からも少しずつ聞いています。やっぱり前回のW杯に出られなかったことに関しては、すごい責任を感じているなというのは、自分も話を聞いていて思います。その4年間って、フットサル界の盛り上がりは、少なからず下がってしまったところはあったと思う。そう考えるとフットサル界を盛り上げるには、W杯で注目を浴びるしかないというのは、この合宿に来てすごく感じる部分です。自分たちの思いであったり、日本から応援してくれる人たちの気持ちを背負って、少しでも高い結果を残せるように頑張りたいと思います。

FutsalX 5年前に予選敗退した時は、毛利選手はどこで何をしていて、フットサル日本代表の試合は見ていましたか?

毛利 ちょうどフットサルを始めたくらいで、ちゃんとフットサル日本代表の試合を見たのが、(AFCフットサル選手権前の壮行試合の)コロンビア戦でした。その時はW杯に出るのは当たり前というイメージで見ていたところもあって、現状、そういう(日本はW杯に出るのは当たり前な)感じなんだなと思って見ていました。

FutsalX あらためてそのW杯に立つことが決まっていますが、こういう準備試合などをしてリトアニアにいよいよ移動しますが、あらためてリトアニアW杯にどんな思いでしょうか?

毛利 現状では足りない部分のほうが多いことは正直なところです。そのなかでもできることはあって、自分の持っているものをすべてぶつければ、少なからずチームのプラスになるんじゃないかなと思っています。そのために最善の準備をしたいと思います。

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