【日本代表】前回W杯に出た9年前を知るFP星翔太「当時も今も、同じように『プレッシャー』はある」

【日本代表】前回W杯に出た9年前を知るFP星翔太「当時も今も、同じように『プレッシャー』はある」

 2016年2月、日本はAFCフットサル選手権ウズベキスタン2016の準々決勝でPK戦の末にベトナム代表に敗れると、その後の順位決定戦でもキルギスに敗れて、FIFAフットサルW杯コロンビア2016の出場を逃した。

 その結果、現在のフットサル日本代表で、W杯の舞台に立った経験がある選手は2人しかいない。そのうちの一人が、今季限りでの現役引退を表明しているFP星翔太だ。

 9年前、FIFAフットサルW杯タイ2012に臨む際、日本はブラジル代表と3-3で引き分け、ウクライナ代表にもFP三浦知良のフットサル日本代表初ゴールなどで勝利した。今回、リトアニアで開催されるフットサルW杯に向けて準備を進めている日本は、ポルトガルやアルゼンチンとも接戦を演じている。

 ブルーノ・ガルシア監督は具体的な目標設定を避けているが、冷え切った日本のフットサル熱を加熱するためには、最低でも、過去最高となるベスト8以上の結果が求められる。

 日本のフットサルが熱を持っていた時代を知る、数少ない選手となった星翔太は、今の日本代表に、どのような手ごたえを感じているのか。

以下、オンライン会見での星翔太のコメント

Fリーグ 今シーズンでの引退を表明していますが、現在の日本代表でも、数少ない2012年W杯の出場選手です。今日、最終メンバーが発表になりましたが、自身最後のW杯へ向けた意気込みとファン・サポーターへのメッセージをお願いします。

星翔太 まずは選ばれたことを光栄に思います。こういう時代のなかで僕らがこうやって海外で活動できて準備できていること自体が、本当にありがたいなと思っています。実現のために動いてくださった方々に感謝したいです。僕としても最後(のW杯)ですけど、2012年から止まってしまった日本のフットサルの国際大会での歴史を動かすチャンスなので、今までにない成績、監督もよく言っていますが「自分たちが主役になる大会」にしたいと思っています。あとは、今はコロナ禍で、現地でなかなか観ることはできないと思うので、画面越しでも僕らのプレーが、そういう人たち(日本のファン・サポーター)に力を与えられるように、自分たちが今できることを全力でピッチで表現して、チームスピリットを全面に押し出したプレーをしていきたいです。

中日新聞 最後と決めているW杯の舞台に、兄弟で出場できますが、その点についてはどういう感想をお持ちですか?

星翔太 W杯の初戦を迎えるまで、どういう気持ちになるか分からないと思っています。まだまだハードな試合が続きますし、準備も続くので、お互いコンディションを崩してケガをすることもあるかもしれないので、その瞬間を迎えるまでは分かりません。でも、今現状、一緒にプレーできていること自体については、僕も龍太も目標にしていた舞台で一緒にプレーできているので、ものすごく嬉しいです。それに尽きますね。それこそ(2019年)2月に最後に国内でやった親善試合のパラグアイ戦の前に父が亡くなったこともあったので、父に届くように僕らはずっとプレーをしていきたいと思っていましたし、そういうことが、W杯の舞台で実現できればなおいいです。そこで、今までにない記録、歴史をつくることに貢献できたらいいと思うので、そのための準備をしていきたいです。

 

中日新聞 経験の豊富な星翔太選手だけに、最後だからこそ後進の選手たちに伝えたいことを持ってプレーされていますか?

星翔太 それはもちろん持っています。それは今、スタッフとして(代表チームに)入っている木暮(賢一郎)さんが日本代表にいた時に、僕も一緒にやっていたので、そういったことを伝えてもらって今の僕があります。今は比較的、清水和也と一緒にいることが多いので、そこは彼に伝えていっていますし、室田祐希にも伝えています。そこの2人には、今後、日本代表のそういったところを担ってほしいなと思っていますし、少しでも歴史が積み重なるようにしたい。遺産ですよね。よく「レガシー」と言われますが、僕らが先輩から受け継いだレガシーをまた次の世代に渡していって、さらに向上させていってもらうこと。昔のことをただやっていくのは違うと思うので、今の時代に合わせたものを彼らなりに表現していってほしいと思うので、そういうふうな伝え方は今しています。

 

フリーランス長野 日本でやるトレーニングマッチと異なり、君が代が流れたり、国際試合の雰囲気を味わえたと思うのですが、何か蘇る気持ちなど、感じることはありましたか?

星翔太 やっぱり他の国と試合ができるのは、すごく良いなと思う反面、やはり国内でやりたかったなというのはあります。もちろん、ここまでの試合は3試合ともお客さんが入っていましたが、昨日の試合に関してはブルーノ監督の地元ということもあって、ホームゲームのような雰囲気で、試合中にも日本の曲が流れたりとか、そういう準備をしてくれたので、その後押しをすごく感じましたが、やはり日本のファンの前でプレーしたかったというのが本音です。それができなかったことは残念だと思いますが、試合ができているということは、昨年1年間我慢したことが出せているので、試合があることはチームとして成長するチャンスだと捉えて臨めています。

FutsalX 9年前の壮行試合ではブラジルに引き分けてウクライナに勝って本大会に乗り込んで良い結果を残しました。前回W杯に行けませんでしたが、あれから9年が経ち、Fリーグで経験を積んだ選手たちが増えて、ここまでの3試合の親善試合では日本の成長を感じさせる戦いができていると思います。まだ、本番が始まっていないので、手応えというのは難しいと思いますが、前回の準備期間も体験している星選手から見て手応えは感じられていますか。

星翔太 Fリーグができて15シーズン目で、その積み重ねは間違いなくあるなと思っています。環境が整っていたり、フットサルに集中できるところであったり、同時にYouTubeとかで、生で海外の試合を見られるようになっていることは今の日本代表の強化においては間違いなくプラスになっています。(2012年)当時と違うのは、当時はカズさん(三浦知良)が来て、ものすごく注目度が高くて「結果を残さなければいけない」という当時には当時のプレッシャーがありました。今回も前回大会の出場を逃しているからこそのプレッシャーがあります。目線は全然違いますけど、プレッシャーという部分では同じものがあります。そのなかで、Fリーグで育ってきた選手が良い意味でも、悪い意味でも、海外の選手を知らないがゆえに、過剰なリスペクトをしない良い環境ができているのは大きいなと思っています。リスペクトし過ぎてしまうと、どうしてもプレーが縮こまってしまい、相手に飲み込まれてしまうことがありますが、そういったところがないので、そういった部分がピッチでの良いプレーには繋がっていると思います。ただ、ここから先、3試合ありますし、(自分たちの)映像も相手の国にどんどん渡っていくと思うので、そういうなかで、どういう準備ができて、どういうオプションを増やせるかが、僕らにとっても課題になります。そこらへんは、今後コミュニケーションを取って良くしていきたいです。

FutsalX ボールを保持した際の攻撃面に物足りなさを感じます。ブルーノ監督は「あとは決めるだけ」という感じで話していたのですが、星翔太選手は3試合やってどんな印象を持っていますか?

星翔太 レフェリーの基準や強度の違いは、間違いなくあって、日本のFリーグよりは間違いなくスピードも速くて決断速度も求められるので、そういった部分での誤差が攻撃の最後の部分に出るとは思います。この前のアルゼンチンとスペインの試合を見たときに、彼らが綺麗な形でフィニッシュにいっているかと言われるとそうではありません。彼らもシンプルな攻撃をやり切ることがあるから、ゴールも生まれている。そういった部分が、まだまだ日本代表に足りないというのは、監督からも話がありました。あとはそこでシュートを打ち切れて、そこに信じてセグンドに飛び込めるかとか、そういうところになってくる。監督が言うように、最後の決め切る場面までは来ているかなと思うので。あとはセットプレーですね。僕らの武器はカウンターとセットプレーというのが間違いなくあるので、そこの精度をもう少し上げていきたいです。

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