【日本代表】チーム内での自身の役割を認識するFP森村孝志「僕のストロングは飛び道具的なところ」

【日本代表】チーム内での自身の役割を認識するFP森村孝志「僕のストロングは飛び道具的なところ」

 2019年のスペイン遠征で、フットサル日本代表は力の差をまざまざと見せつけられた。

「あの時はやろうとしていることを全部上回れた印象が僕としても残っています」と、森村孝志も振り返る。

 日本はスペインから指導者を招聘し、フットサルを学び、彼らのやることをコピーして、成長してきた。だが、完全なコピーだけでは、なかなかオリジナルを超えるのは難しい。あの遠征での2試合は、それを痛感させられた。

 そのなかで印象に残っていたのが、森村や室田祐希のプレーだ。サイドでドリブルを仕掛け、何とか状況を打開できないか。個の力のある選手が、結果を出すことができれば、試合の流れを変えられる。

 W杯になれば、2人のタイプが新たに注目されるはずだ。一つはFP星龍太に代表されるような、どっしりと守れるフィクソ。もう一つは、相手を個の力で打開できるドリブラーだ。

 後者としては、森村と同じバサジィ大分でプレーするFP仁部屋和弘も、候補の一人だったはず。しかし、オルドスで行われたAFCフットサル選手権予選後、ブルーノ・ジャパンから外れ続けていた仁部屋は、コロナ禍でW杯が延期となり、一時的に代表に復帰したが、最終的にブルーノ監督からの信頼を取り戻せなかった。

 立川・府中アスレティックFCの内田隼太もポテンシャルを秘めていたが、不調のチームに引きずられる形で外れた。そして、室田、加藤未渚実とともに生き残ったのが、左利きであり、今季のリーグ戦で日本人3位となる6得点を挙げているFP森村孝志だった。

 28日のインタビューで、森村の前にメディアの前に現れたGKピレス・イゴールは、個人を殺して、チームのためにすべてを捧げる旨の発言をした。一方、森村は「世界的に(清水)和也とかは知られていると思いますが、僕は知られていないと思うので、存在価値を示すというか、日本にはこういう選手がいるんだぞと示せたらいいなと思っています」と、自分を示すことを誓った。

 この発言を、独りよがりと考えるべきではない。アタッカーは、自分を出すことで、より相手にとって脅威になり、チームにとってのプラスにもなるからだ。

 森村はスペイン戦後、借りを返すために、自分自身を鍛えてきたと語った。日本はスペインとW杯本大会の前に、親善試合でも対戦する。前回のスペイン遠征がそうだったように、1試合目で日本の力を図ったスペインは、2試合目で完膚なきまでに叩きのめしにきた。できれば、今度は2戦目にスペインを驚かすようなサプライズも残しておいてほしいところ。

 Fリーグで、安定してゴールを挙げられるアタッカーは、世界のトップレベルに通用するところまで、個の力を伸ばせたのか。その答えは、間もなく出ることになる。

以下、オンライン取材でのFP森村孝志の一問一答

SAL ここまでの合宿を終えていかがですか?

森村 いつも通り、僕はそんなに変わった感じはないですが、徐々にラファ(逸見勝利ラファエル)とか、普段いない選手もいるので、そういうところでは良くなってきていると思います。

SAL初めてのW杯に、このメンバーで向かう形になっていると思いますが、今の気持ちは?

森村 ワクワクしていますし、初めてなので、楽しみな気持ちしかないです。

SAL 楽しみな気持ちというのでは、最終メンバーは決まっていませんが、W杯や親善試合でどんなプレーを見せたいと考えていますか?

森村 世界的に(清水)和也とかは知られていると思いますが、僕は知られていないと思うので、存在価値を示すというか、日本にはこういう選手がいるんだぞと示せたらいいなと思っています。

FutsalX 左利きも少ないですし、W杯のメンバー入りは決まりかなと思っていたのですが、昨日の取材でブルーノ監督が、森村選手と八木選手もピヴォでも考えていて、6人の競争のように言っていたのですが、実際に合宿でピヴォとしてプレーする機会も多いのですか?

森村 いいえ、今は比較的にアラのポジションでやっていますが、流れのなかでピヴォがいない時はピヴォに行ってくれと言われますが、スタートはアラでやっています。

FutsalX 今年移籍した大分では、そんなにピヴォで張っていることもないと思いますが、急に求められた時に、左利きのピヴォはオプションにもなりえると思うのですが、その辺を求められても対応できる自信はいかがですか? 

森村 やっぱり利き足が違うということでアクセントになると思います。僕の場合はピヴォもやりますが、ピヴォの位置で前を向いて勝負できるのも強みだと思うので、そういうところで変化をもたらせたらいいなと思います。あと自信もあります。

FutsalX それができると、後ろ3人で固めて前に預けてカウンターを狙う形もできそうですね。親善試合で、そういう形を見せることも、W杯での出場時間を増やすことにつながると思いますが、準備時間の親善試合であれだけの相手と戦えることはどんな思いですか? また、個人的にテーマを持っていたり、楽しみな試合があれば教えてください。

森村 いろいろな国とできるのはすごく楽しみですし、逆に僕のストロングなところを生かしたいです。そのストロングなところはフットサル的なパス回しではなく、飛び道具といいますか、急に仕掛けたり、相手のブロックを壊す選手になれたらいいなと思っているので、それがどこまでできるかが楽しみです。

FutsalX 海外に自分の存在を知らしめたい的な発言がありましたが、それは将来的な海外移籍も考えてですか?

森村 いや、今のところはないですが、一度はプレーしたいという気持ちが今まではありました。こういう選手がいるんだというアピールというか、驚かせたいだけです。

FutsalX W杯が現実的な目標になったのはいつでしたか?

森村 そうですね、スペインと海外で2戦やったと思いますが、その時に敗戦して、そこから現実的に借りを返したいなという気持ちが、強くなりました。

FutsalX あの遠征ではチームがあまり組織的にプレーできなかった時、森村選手が個で仕掛けていた印象があります。あの試合で覚えていること、そのあと、重点的に鍛えたところはありますか?

森村 あの時はやろうとしていることを全部上回れた印象が僕としても残っています。その時にメンタル的には、あの試合は「僕に任せてくれ」という気持ちに途中からなっていたので、それをW杯で出していきたい感じです。

FutsalX W杯に向けては個を強くすることを意識していた感じですね。

森村 はい、そうですね。

FutsalX わかりました。親善試合も含めて楽しみにしています。特にスペインは2回あるので、できれば2回目で良い結果を残してもらえたらと思います。

森村 はい。そうですね(笑)。

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