【女子】第2節ベストゴール本人解説 丸岡FP北島笑「考えていたら逆に入っていなかった」

【女子】第2節ベストゴール本人解説 丸岡FP北島笑「考えていたら逆に入っていなかった」

 日本女子フットサルリーグの2021-22シーズンの第2節の4試合が6月26日と27日に北ガスアリーナ札幌46で行われた。4試合で計25のゴールが決まったが、各試合からさいたまサイコロFP桑原真澄がベストゴールを選出。選出された4つのゴールをFutsalXのツイッターで投票にかけて、第2節のベストゴールを決めてもらった。

 ということで、投票の結果、第2節のベストゴールに選出されたのは、福井丸岡ラックのFP北嶋笑が決めたトゥキックでのゴール。前半6分に味方から出された速いボールを中盤で相手選手と競り、いち早く反応した北嶋はボールを運んでシュートを突き刺した。

 このゴールを北嶋に解説してもらうとともに、中断期間に取り組みたいことなどを聞いた。

 

 以下、インタビュー

――おめでとうございます。第2節のベストゴールに投票で選出されました。感想を聞かせてください。

北嶋 結構、票が伸びていてビックリしました。すごく嬉しいなと思いましたし、たくさんの人が現地やSPOZONEでゴールシーンを見てくれて、そのうえで選んでくれたので嬉しかったです。私的には、江口さんのシュート(下記動画ハイライトの17秒~)の方がすごいなと思っていたので、ちょっとビックリという気持ちもあります。

――江口さんのゴールはどこにすごさを感じましたか?

北嶋 結構、あのシュートはよく打っていると思うのですが、右でまたいで左足であんなコースに決めきれるのがすごいなと思います。

――なるほど。北嶋選手がゴールを決めた第2節の対戦相手は立川・府中アスレティックFCレディースでした。第1節は試合がなく、相手の情報がない状態でしたが、どのような準備をして試合に臨みましたか?

北嶋 相手には良いピヴォがいるということは、ずっと話をしていました。ピヴォ当てをさせないようにディフェンスをしっかりすることを話していました。あとは、ディフェンスでしっかり絞って、フィクソで(ピヴォにボールが出た時に)前カットを狙っていこうとか、そういうところは話をしていました。あとは、GKが井上ねねさんで、背も高いし、キックやフィードの精度が高いので、しっかり裏のケアをすること。ゴールスローを投げてくる前に、落ち着こうという対策をしていました。

――守備の対策を多くしていたんですね。

北嶋 そうですね。どちらかといえば。

――そんななかで前半5分に北嶋選手のゴールが決まりました。このプレーを解説してください。速いボールが来ましたよね?

北嶋 はい。

――相手と競りながら、うまくコントロールできたように映像では見えたんですが。

北嶋 あれ、私がコントロールしたのか、あんまり覚えていないんです。どっちかに当たって、上に当たったんです。

――コントロールがうまくいったように見えたんで、そこが一つ目のポイントだと思ったのですが、自分に当たったか、相手に当たったのか、わからないんですね(笑)?

北嶋 はい(笑)。よくわからない感じになりました。で、ボールが上にあがって、トラップをしたんです。

――ボールが上がってからの反応のスピードが全く違ったので、自分でコントロールしたのかなと思っていました。どちらかというと、上がったボールを早く確認できた形だったのでしょうか。

北嶋 そうですね。結構、すぐに見つけることができたんです。多分、「上だな」と思って顔を上げたら、ボールが見えたのだと思います(笑)。

――では、そのあとはいかがですか? シュートまでに2タッチしかしていないと思うんですが、相手に体を入れさせないうえで、ゴールへも最短距離をとっているような形でした。置き所が完璧で相手も寄せることができなかったと思うのですが、コース取りのイメージはどうだったのですか?

北嶋 ええ……。こんなの本当はダメかもしれないんですけど、正直、あんまり考えていなくて(笑)。正直ですよ(笑)。ただ、ゴールに向かうこと、シュートを自分で打つというイメージは持っていました。相手が追いかけてくるのは分かっていたので「来てる!」と思って、だから、「打ったら、入った!」という感じなんですよね。正直、狙ってはいないんですよ(笑)。あんまり考えていなくて……考えていたら逆に入っていなかったのかなと思います。

――自然と体が動いた感じだったんですね。

北嶋 そんな感じです。

――少し失礼な言い方になりますが、北嶋選手は結構、シュートは打つのに、ポストに当てたり枠に飛ばなかったりしていたイメージがありました。

北嶋 そうですよね(笑)。本当に(笑)。

――でも、このシーンは本当に良いシュートが決まりました。今シーズンに向けて、シュートのトレーニングをしたとか、何か意識を変えたとか、そういうことはありましたか?

北嶋 ええ……。

――ないんですね(笑)。

北嶋 なんだろう……。でも、トゥキックは得意な方なんですよ!

――では、昨年の私でも決められていたというゴールだったんですね?

北嶋 ……多分、決められていたんじゃないですかね(笑)。

――なるほど! 自分の持てる力を出せるようになったのかもしれませんね。代表候補合宿にも行きましたし、自信がついたのかもしれませんね。

北嶋 はい。それはありますね。

――チームのセット分けについて、池内選手がファーストセットに入って、これまでと違うセットで出場になりました。意識していることはありますか?

北嶋 (池内)天紀が入ることで、守備的になると思うんです。試合の終わりとかは、ファーストセットに天紀を入れて守備的に戦ったりしていました。なので……なんでだったのかな(笑)。守備を固めるっていうのと、あとは、練習の時から天紀はどっちでも出られるようにしとけ、という感じでしたね。

――池内選手は両足でパスを出せますし、ピヴォにとってはやりやすい選手かと思うんです。丸岡はとくに長い間、同じセットで戦っているイメージもありましたし、パスを出してくれる選手が変わったという点では、どうですか?

北嶋 試合の時は、天紀が早めに出て、あとから自分たち3人が出てくるので、結局、4人でやるので、そんなにセットが変わったとか、違和感があるという感じではありません。

――そうなんですね。北嶋選手といえば、ユースオリンピックに行けず、悔しい思いをしていた印象があるのですが、そこから取り組んできたことは?

北嶋 ユースオリンピックに行けなかった時は、悔しいというよりは「頑張ってきて」という想いのほうが強くありました。そんな感じだったので、帰ってきてからはみんなに話を聞いて、個人的には守備の強度を上げるように取り組んでいます。それで相手のボールを奪えるようになって、前プレもしないといけないので、そういうところはちょっとずつ成長しているかなと思います。

――それはユースオリンピックに出た6選手が、「守備の強度が強かった」という話をしていたんですか?

北嶋 あの子たちもそうですが、(高尾)茜利とか、(北川)夏奈とかも、言っていたので。

――自分で体感しないと、なかなかどこまでいけばいいというのはわかりにくいと思うのですが、北嶋さんはどうやってその感覚をつかんだのでしょうか?

北嶋 代表候補合宿に行って、そこで体感して、そこから開幕までの2カ月間で上げられたというのはあります。あそこに呼ばれたのは大きかったですね。

――そこはユースオリンピックに行った同年代の選手たちに追いついたという感覚ですか?

北嶋 そうですね。でも、(山川)里佳子(現アルコ神戸)がチームにいた時には、ポジションが一緒ということもありましたし、里佳子の方がディフェンスの強度が強いなと思っていましたが、今だったら負けんくらいに戦えるかなと思います。

――山川選手はどういう存在ですか?

北嶋 普通に話はしますし、プライベートは普通ですが、試合になると負けたくないとめっちゃ思います。今は違うチームになりましたが、対戦するのが楽しみですね。一緒に戦う時は、負けたくないですね。今年はアルコ神戸との試合は最終節なので、ゴール数を争えたらいいなと思います。

――チームメートにタイプは違いますが日本屈指のピヴォの北川選手がいます。彼女から学んでいることはありますか?

北嶋 夏奈みたいなピヴォになろうとは思っていませんが、ピヴォのプレーの特徴は違うのですが、チームを引っ張るとか、声を出して盛り上げるとか、前プレに行く時もピヴォから発信するというか、ピヴォが一番はじめに強くいかないと、後ろもコースを限定できません。そういうところで、前プレに行く迫力とかが、やっぱり夏奈はすごいので、そういうところは自分ももっと学ばないといけないなと思っています。

――試合の話に戻ると、北川選手のゴールでリードを広げましたが、そこから追いつかれてしまいました。この試合の反省点は?

北嶋 勝ちきれなかったのは反省ですね。守り切れなかったというのもありますし、もっとチャンスがあったのに決めきれなかったのも反省点です。あとはパワープレーの守備ですね。私はあまり自信がないんですよ。

――でも、スピードがありそうだから戦力として計算できそうですけど。

北嶋 どう動けばいいか、分からなくて……。夏奈とか、茜利がずっと出ることになってしまったので、自分とか、あと出ていなかったのが、横山凜花、前田美羽とかなのですが、ちゃんと出られるようにしないと、体力的にきつくなるっていうことは、パワープレーの守備はみんなができるようにしようと話しました。

――特にこの試合、丸岡はFP8人で戦って、相手は3セットでしたもんね。ここで中断期間に入りますが、2試合を終えての手ごたえはいかがですか?

北嶋 チームとしても、悪くはないという感じだと思います。だから、立川・府中戦後も引き分けたけど、負けなくてよかったという話はしました。かなり上位争いが混戦になると思います。

――そのためにも北嶋選手の活躍も必要になりますが、個人として再開に向けて取り組みたいことはありますか?

北嶋 中断期間にレベルアップしたいのは、やっぱり決定力ですね。あともう1点か2点、立川・府中戦で取れていれば、勝てていたと思うので。1点目の得点じゃないですが、考えずに打ったら入ったというのではなくて、ちゃんとコースを狙って打って点を取れるようにしたいです。

――体が自然と動いたというよりは、頭で考えたことを表現できるようになりたいんですね。

北嶋 どっちもですかね(笑)。最終的に点が取れればいいので。

――チームとして中断期間に、どのようなことを修正していきたいですか?

北嶋 私たちの2試合を見て、ほかのチームは「丸岡はパワープレーの守備が弱いな」と思ったはずなので、パワープレーの守備の練習はすると思います。そこは修正したいです。

――逆にほかのチームの試合を見て、ここを高めないとと感じたことはありますか?

北嶋 ……。 

――あんまりそういう視点で見てないんですね(笑)。たとえば、浦安などは選手層も厚いですし、そういうチームと戦ううえでは、選手が少ない丸岡は体力面で強化が必要かなと感じたのですが。

北嶋 確かに。体力…。そこもありますね。やっぱり浦安さんとかは、ボールを回すのがうまいじゃないですか? やっぱり守備をもっとやらないと……「結構できたな」とこの2試合を終えて、みんなでも話したのですが、それ以上に声掛けとか、絞りとかをうまくやらないと、簡単にボールを回されるのかなと感じます。

――個人的には今シーズン掲げている目標はありますか?

北嶋 ……じゃあ、5点でお願いします。

――2試合に1点でいいんですか(笑)?

北嶋 ……じゃあ、8点。

――なんで8点なんですか?

北嶋 いや、10は行けないかなと思って(笑)。でも、10点という気持ちで頑張ります(笑)。

――では、今季の目標は10点ということで(笑)。

北嶋 そうですね。点を取らないといけないと思うので。 

――宇部戦、すみだ戦と厳しい連戦で再開しますが、そこに向けて意気込みを聞かせてください。

北嶋 ミネルバさんは、体が強いイメージがあるので、当たり負けしないようにしないといけません。そこはしっかり得点を取って勝たないといけないと思っています。フウガさんには、昨年ホームで負けているので、そこは絶対に勝ちたいですが、フウガさんも頭がいいというか、ボール回しがうまいので、焦ってあたふたしないように、ちゃんとベンチからも声をかけられるようにしたいです。パワープレーで失点をした時も、「ベンチからの声があまりなかった」と夏奈に言われました。なので、ベンチからも指示というか、マークがどこにいるとか、声をかけてあげないと、プレーをしている選手は周りが見えなくなっている時もあるので、周りが声をかけるのも大事だなと思いました。チームが一つになって、しっかり2連戦を戦えたらいいなと思います。 

――北嶋選手がその時に声を出さなかったのは、試合を見るのに集中していたのか、どう守ればいいのかわからなかったのか、どちらでしょうか?

北嶋 どう守っていいかが、あんまりわからなかったので、言えなかったのがあります。なので、次はしっかり頭に入れて、指示も出せるようにしていきたいと思います。 

――ありがとうございました。また今後もベストゴール候補になるような得点を決めていただけるのを楽しみにしています。

北嶋 次は感覚ではなく、ちゃんと説明できるように頑張ります(笑)。

 

 

 

 

 

 

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