【F1】昨季残留を争った横浜に完敗の長野 横澤直樹監督「相手の勢いが選手たちの予想以上だった」

【F1】昨季残留を争った横浜に完敗の長野 横澤直樹監督「相手の勢いが選手たちの予想以上だった」

[2021.7.3 F1第5節 横浜 4-0 長野 横浜武道館]

 Fリーグ・ディビジョン1は3日に第5節を各地で行い、ボアルース長野は横浜武道館でY.S.C.C.横浜と対戦した。開始早々に先制点を奪われる難しい展開となり、長野は横浜に戦いにくさを感じさせることはできたもののゴールを挙げることはできず。今シーズン、全敗ながらも接戦を繰り返してきたが、この試合は0-4と大敗した。

 試合後、横澤直樹監督は、「この一戦は最下位争いについていけるのか、離せるかというすごい大切な試合」と、昨季も残留争いを繰り広げた相手に喫した完敗に肩を落とした。

 以下、横澤直樹監督、FP有江哲平キャプテンのコメント

――本日の試合を振り返ってください。

横澤 お疲れ様です。まずは本当にこういうコロナ禍で、ワクチンがあるにしても、大変ななかで、人が集まってくれて、こういうなかで試合ができたことが、本当に感謝の気持ちをもって戦えることが嬉しかったです。その気持ちを大切にしたいし、それがあるから、我々の価値がある。そこに結び付くのかなと思います。

 試合に関しては、こうやって横浜にまで応援に駆けつけてくれた、赤いユニフォームを着たサポーターがいましたが、我々としても、この一戦は最下位争いについていけるのか、離されるかというすごい大切な試合でした。そのなかで挑んだ試合で負けてしまったというのが、何よりも悔しいです。選手たちも試合直後のロッカールームで、かなり悔しい気持ちで、座って暗くなっていました。それだけ彼らが真剣だったことがすごくわかったし、私も含めて、とにかく来週のホームゲームでは気持ちを切り替えて、とにかく結果、早く一勝して、選手たちとともにスタッフとともに喜びあいたいです。

――ここまでの試合、スタートが非常に良い印象があったが、崩れた理由は? また、これまで粘れた試合が多かったですが、大差を付けられたのはなぜでしょうか。

横澤 やっぱり入りですね。入りのところでマークのズレが多少ありましたし、相手の勢いが選手たちの予想以上だった。(横浜を)動画でしか見ていないのですが、多分、それくらいの速さに感じたんだと思います。あとゴレイロに関しても、失点のところで前に出きれなかった。前進する速度、カバーする速度が遅く、それが2回続いたこともありました。練習試合の成績を見ていると、かなり良い戦績を残していたので、それなりにできるのかなと思っていましたが、基本的には、そういうちょっとしたところで動画と実際にやってみての違いがありました。勢いに乗っている横浜のプレスやドリブルが、どれだけのものか、今シーズンは未知でした。

 ただ、今回はスタートでついていけなくてリズムを崩しましたが、途中で一回停滞しました。我々が第1ピリオドの後半で正確に物事をこなしていたら、チャンスがなかったわけではないので、点を取れていたはずなんです。ただ、丁寧さが足りなくて、そこで1点も返せない状況が続き、後半のミスですね。同じようなミスが続いて、マークミスもそうですが、2失点を喫しました。そこが原因ですかね。なかなか、チャンスを生かしきれなかった。もちろん決定的なチャンスを生かすのは、どのチームにとっても課題だと思いますが、これをなんとか乗り切らないと、結果は残せません。

 今まで第4節までも、同じように決定的チャンスが5回以上必ずありました。僅差であっても、その決定機を決めきれないと負けてしまうんです。今回は僅差でも決めきれなかったところが、大差となってしまい、局面的に難しくなりました。そういう意味では本当に今日の試合は、大差にしてしまうような状況を、もしかしたら自分たちで作ってしまったのかもしれません。

――どの監督に伺っても、横澤監督を策士と言いセットプレーなどを警戒されると言うのですが、分析されてうまくいかない感触があるのでしょうか。

横澤 今シーズンに関しては、利く戦術を厳選しました。それでも、ほかのチームよりは種類が多いと思います。そのなかで決定的チャンスをつくり出していることは確かです。実際に試合が終わった後に動画編集してセットプレーのゴールクリアランス、キックイン自陣、キックイン相手陣、コーナーキック、フリーキック、キックオフ、その成功シーンを出すのですが、それを見てもうまくいっています。そこの最後の一手、決めきる一手が足りないから、どうしても戦術を生かしきれない。それを僕ももう少し踏み込まないといけない。選手だけのせいにしたらそれで終わってしまいます。決めきれないところがあるなら、もっと戦術を細かくしないといけない。ポジションのずれ、シュートを打つタイミング、どこを狙うのかまで踏み込まないといけないと思っています。

 相手が警戒してくれることになれば、僕らにとっても逆を突けるので、試合でこういうところを狙ってきた、だから違うことをやったとできます。ゴールクリアランスもそうですが、すべてのことを試合で見せる。そして、相手はその試合を分析して、次の試合では逆手をとる。そのような戦術を毎週、考えています。相手がこうだから、次はこっちから狙おう。相手に選択肢を3つ与えれば、相手は読めなくなりますから、最低限3つの角度から攻める。そこの部分が基本だと思っています。あとはもうやっぱり良いところまでいっているから、決定機を生かすこと。

 僕がなぜ他のチームと違った戦術をするかというと、やっぱりフットサルはこれっていうものはないんです。理論的に全部戦術とかでつくっていますが、どれも応用なんです。誰もが知っている基本の応用。それの積み重ね、連続作業が僕の戦術であり、そこにはいろいろなバリエーションがあります。バスケットボール、合気道、ハンドボールなど、いろいろな競技の良いところを含めてフットサルに生かしていく。そういうところを僕自身は見せていきたいと思います。フットサルがクワトロだよ、パワープレーの守りがダイヤだよということだけではなく、なぜクワトロを使うのか、ダイヤを使うのか、そこをしっかり理解しているのであれば、もっとその先に進もうよと。その先に進めるバリエーションがないなら、こっちがティーチングをしてあげればいい。コーチングではなく、ティーチング。とにかくバリエーションを増やす。そのなかで選手たちが選べるようにする。そうすることによって、戦うバリエーションを増やせば、使う武器が増えるということなので、もっといろいろなことを楽しめます。

 そういうことを弱いながらも伝えていくことで、4年後に絶対に変わります。それは湘南の時にも見せたことですし、それまでが人間力をしっかり高めるとか、戦術を受け入れる力とか、理解する力とか、そういうものが必要になってくる。同じ簡単な戦術を4年やるのと、難しいことを入れて4年間やるのとでは、まったく4年後の頭のなかが変わってきます。そういう意味で、とにかく頭に入れていく。そして、僕がクラブから退いて、新しい監督になった時に「今の監督、簡単だな」ということで、もっともっと生かされると思う。僕はそういう作業を自分自身やってみたいと思っています。

 とにかく全部理論的ですから、全部説明できますし、つじつまがあっていることなのです。やっている選手は理解できるはず。見ている方が「何をやっているんだ」「こんなのセオリーではない」と感じているかもしれません。でも、僕の中ではセオリーを変化させたものであって、そういうことをする監督が増えれば、日本のフットサルはもっと面白くなると思う。ブラジルは、監督が全員違うことをやります。スペインの監督は大体、同じことを共有して、落とし込んできますが、ブラジルでは協力して落とし込むことはありません。一人ひとりがオリジナリティがあります。だから面白いんです。監督も含めて、選手も含めてオリジナリティが重要です。ただ絶対にやらなければいけないことは「規律」。「規律」がなければ、要は型がなければ、型破りができないのと同じで、規律があるからそのなかで、いろんな可能性や個性が生きてくる。そういうところは戦術を通して、成長していってほしいなと思います。

 周りから理解されなくても、選手が一つひとつ難しいことを覚えながらやっていくことで、「あの選手は頭いいね」と言われるようになると思う。そういうところを目指していきたい。僕に関わった選手をとにかく成長させたい。それだけですね。

――パワープレーを一度、中断して再開した判断は?

横澤 もう一度、作戦ではないですが、相手の守備戦術がこうだから、それを打開するために、もう一回やることを再確認していました。行くか、行かないか、ボールを回していたのは、僕の伝えたことが、伝わらなかっただけです。それだけです。

 

FP有江哲平キャプテンのコメント

――試合を振り返って?

有江 コロナ禍ではありますが、たくさんの方に来ていただき、応援していただき、リーグ戦が開催できたことに感謝しています。試合に関しては、早すぎる失点、僕のミスでの失点だったので、もっとキャプテンの自覚というか、意識をもって、責任を持ってプレーしないといけないと感じました。横浜は勢いがあり、完敗だなという感じなので、次、横浜とのホームゲームで、次はこっちが完封できるように準備していきたいと思います。

スポンサーブランド
サッカー・フットサルブランド アグリナ


Homepage Powered by スタジオコンチーゴ株式会社