【日本代表】いよいよW杯モードへ ブルーノ監督「9月14日20時KO、クライペダでの試合にすべてを賭ける」

【日本代表】いよいよW杯モードへ ブルーノ監督「9月14日20時KO、クライペダでの試合にすべてを賭ける」

 フットサル日本代表は、28日から30日まで、千葉県内でトレーニングキャンプを行う。このキャンプに先立ち、ブルーノ・ガルシア監督がオンライン会見に臨んだ。

 FIFAフットサルW杯リトアニア2021の開幕まで3カ月を切り、今回の招集メンバーについて「具体的な数字では、もちろん言えませんが、非常に高いパーセンテージで今回の招集メンバーから選ぶことになる」と、W杯行きの14名がここから出る可能性が高いことを認めた指揮官は、W杯の対戦相手について、今後の強化プラン、今回招集されなかった海外組のFP逸見勝利ラファエル、立川・府中へ加入したFP森岡薫の立ち位置についても言及した。

以下、ブルーノ・ガルシア監督のオンライン取材

――今回の合宿の意図を教えてください。
ブルーノ 今回、W杯直前に向けて、直前の準備に入る最後のフェイズです。国内キャンプという形では、最終調整に入る前のラストのキャンプという位置づけと考えています。ここまで3月末から、4月、5月、6月、そして今回とほぼ毎月のペースで、毎回3日以上のトレーニングキャンプが実現できています。今回の合宿は、その延長線上にある最後の仕上げとなります。今回は組み分け抽選も終わり、本番での対戦相手が決まったなかで、具体的な準備に入りながら、最終のフレーズに臨んでいく位置づけになります。

JSports  W杯のグループの組み合わせについて、すでにスペイン、パラグアイという対戦した2カ国との試合になったが?

ブルーノ アンゴラもいますよね? パラグアイ、スペイン、アンゴラという相手との試合がありますが、目を引くのはW杯で実績も多く積んでいるパラグアイ、スペインの2強だと思います。一方でアンゴラも、アフリカの強豪であり、毎回、力をつけているという情報を受けていますが、今回、同じ組で対戦することになりました。明らかな2強はマークしないといけませんが、それぞれにスカウティングをして、戦略を練って、全力を尽くして臨まないといけません。その前提のなかで、我々としては、何をおいても最初にフォーカスを置くのは、9月14日20時キックオフ、クライペダでのアンゴラとの試合。これにすべてを賭けて、この試合を全力で勝ち切ることに集中することだと思っています。グループとしては非常に困難なグループという自覚、認識もありますが、今のマインドとしては、そのことに集中するマインドです。

J Sports 1年延期になったうえでのW杯開幕となります。予選を兼ねたAFCフットサル選手権中止で実戦不足という不安要素もありますが、ポジティブに捉えるとどういったことがありますか?

ブルーノ タフになったと思います。試合ができない状況は強化の側面では苦しい状況にあるのは明らかです。他国の状況を見てみると、試合ができていることがありますし、それを脇目に見ながらこの状況に耐えています。苦しいところもありますが、我々はそこを言い訳にしないスタンスで取り組んでいます。それをさらに磨きこみ、内なる強さ、チーム力の向上が、非常に大きく取り組むことができた部分だと思います。

 誰もが想像していなかったこの状況で、言ってみれば本大会の2カ月前の今でもリプランをしている状況で、ネガティブにとらえようとすれば、いくらでもなりえます。しかし我々のメンタリティは、そういう次元を超えて、かなり前から「代表」から、「代表チーム」になり、「ファミリーメンバー」という関係性になった。それくらいの強さを身に着けたと思っています。そのあたりは、こういう時間なくしてはなかなかできなかったかなと思っています。

SAL 先ほどの話にあったように毎月のペースがキャンプをしていますが、この3日間で代表チームにどのような上積みをしていきたいのでしょうか?

ブルーノ 今回の狙いは大きく分けて2つあります。一つは、ここまでの話にあった継続のなかで、毎回のトレーニングキャンプは、あらゆる側面で異なる取り組みをやってきています。チームとしての戦術的なゲームモデルの洗練だけではなく、チームビルディングの側面、フィジカルの側面、いろいろなスポットを当てるべき側面がありますが、それを変えながら取り組んで来ています。そのなかで総仕上げの洗練をさらにあらゆる分野で高めていくことが一つです。もう一つは、一つ目のポイントと合わせてですが、最後の仕上げになります。当然、メンバーのリストはここから先のフェイズに入った時に、最終リストを見据えて固めていかないといけません。そのなかで、こういう文脈のなかで、どういう競争力を見せてプレーするか。そこを見極めながら、選手選考のところに結び付けていくところがあります。

SAL 国際親善試合が2月からなく、成長を示す場がありません。代表チームはどこまで成長できているでしょうか?

ブルーノ 非常にポイントを突いた良い質問だと思います。質問にお答えするまえに、状況と認識、自分の感覚をコメントしたいと思います。おっしゃる通り、もう何カ月も長いことトレーニングに取り組み、チームビルディングをしてきています。しかし、約1年8カ月、もしくはそれ以上にわたって、選手が自分たちの力、レベルを図ることのできる本当の場である国際Aマッチを経験していません。その状況は非常に難しい、悩ましいものだと認識しています。トレーニングキャンプで取り組むトレーニングの様子、コンディション、リーグのゲーム、そういったものでどういうパフォーマンスになっているかは見ることができますが、本当の国際マッチでしか図れないものが間違いなくあります。それがないことは、明らかな制約になっています。そこに対しては、これまでにプレーしてきた国際試合、国際大会の場での傾向、あとは現在取り組んでいる複数のチームスタッフのメモを反映しながら、評価をしていくしかないと思っています。

SAL 予定された親善試合がなくなり、不安要素はありますか?

ブルーノ 私たちとしては、国際親善試合の中止に関しては、何回もここまでリプラン(再計画)を繰り返して、それに対して、黙々と最善を尽くす気持ちをぶらさずに、適応し続けることをしないといけません。ただ、非常に残念だなという気持ちになるのは、サポーターの皆さんに対して、日本代表が国内で試合をする姿をここまで見せてこれず、ようやくW杯の前にお披露目できる場ができると考えていたところ、それがなくなってしまいました。そのことは本当に残念で、申し訳ない気持ちになります。ただ、今の状況ですと海外のチームを呼び、待機期間を設けて、また試合をして戻ってもらうことを、このタイミングでセットするのは現実的ではないということも理解できるので、致し方なかったのかなと思います。

 そして、この先については、先ほどのリプランのところですが、8月の親善試合がなくなったことを踏まえて、直前期に向けて試合をやる時間、試合をする回数がすごく大事になってきます。課題となってくるのは、現在、リプランをしているなかで、最も大事にしているのが対戦相手のフィックス。何とか試合をやる状況を作っていきたいことを趣旨にリプランしている。現在、進行中のやりとり、他国の協会、チームとのやり取りをしています。それが固まれば、近日中には固まると思いますが、どこでどういう試合をするかお披露目で切ると思います。今回は国内で親善試合ができないので、そういうプランで立ち直ろうとしています。

FutsalX 今回の合宿メンバーは、どれくらいが本大会に残るイメージを持っていますか?

ブルーノ 端的に言うと、たくさんですね。今回のメンバーから本大会に選ばれるメンバーは、大多数であると言えます。話にもあった通りに、チームとしては最終リストに向けてのフィルタリングの最後に向かっています。具体的な数字では、もちろん言えませんが、非常に高いパーセンテージで今回の招集メンバーから選ぶことになると思っています。

FutsalX 2020-21最後まで海外でプレーしていた選手で清水和也が招集されました。一方、国内復帰した森岡薫、逸見勝利ラファエルの招集が見送られていますが、その理由は?

ブルーノ 3人の選手については、ずっと海外に行っても追っている選手であることは間違いありません。一人ずつ話をすると、逸見選手については、向こうのリーグが終わり、日本に帰国してから検疫、待期期間を経てから、このキャンプに間に合うことが現実的に物理的に困難でした。そのため招集していない背景があります。森岡も基本的に同じです。力は十分によく知っている選手ですし、この3人のなかでも重要なタレントとして見ています。今回のタイミングにちょうど参画してもらえる状況ではなかったと考えています。そして、清水選手については、タイミング的にも適うこと、そして何年か向こうでプレーしている様子もトラッキングしてきていますが、その前から自分が代表監督に就任した時にU-20からA代表に入ってくるタイミングで、それ以降の成長ぶりをずっと見ています。特にここ近年のスペインに行ってからの力の付けようは目覚ましい。このレベルを続けてもらえれば、非常に重要な役割を果たしてくれる人材ではないかと期待しています。

FutsalX U-20日本代表との練習試合が、実現しなかったことへの思いは? また、サッカーのA代表とU-24代表の兄弟試合は良い強化の場になったと思います。監督がこの先、日本の監督を続ける、続けないは別にして、プランとしてA代表対U-20日本代表はあるべきだと思いますか?

ブルーノ サッカーのA代表とU-24日本代表の試合は、不測の事態が発生したものに対しての次善の策として編み出された案だったと思います。私たちの場合は、U-20日本代表は私の提案というよりも、私が提案を受けて、それに対して実現の方向に向かったものです。最初の話は合同トレーニングをやるという話でしたが、端的に言うと、私はA代表と違うカテゴリーの同じ代表ファミリーが試合をするというのは、本質的に違うと感じるところがあります。A代表は、どの形であっても目指すべき場所のはずであり、そこと対戦するということがあるべき関係性ではないと思うからです。本質的に不自然な感じがあるので、そこにフォーカスした機会は良いとは思っていません。ただ、U-20日本代表の今の状況は、A代表とも同じく、世の中の情勢を鑑みると、非常に策が必要な事態になっていることも理解しています。合同トレーニングをして、いろいろなものをシェアして、刺激をA代表からU-20代表に与えていく、そしてU-20日本代表から先につなげる本質は理解できます。タイミング、方向性、その部分さえうまくセットできれば、非常に有効な策なのではないかなと思います。

スポンサーブランド
サッカー・フットサルブランド アグリナ


Homepage Powered by スタジオコンチーゴ株式会社