【F1】ガリンシャ不在の浦安、クアトロからの芸術的ゴールで北海道を破って今季初勝利

【F1】ガリンシャ不在の浦安、クアトロからの芸術的ゴールで北海道を破って今季初勝利

[2021.6.20 F1第3節 北海道 2-3 浦安 函館アリーナ]

 Fリーグ・ディビジョン1は20日に第3節の3試合を行い、函館アリーナではエスポラーダ北海道とバルドラール浦安が対戦した。試合前にTwitterで行った勝敗予想では295票の投票があり、北海道の勝利が50.8%、浦安の勝利が43.1%、そして引き分けが6.1%の票を集めた。

 ホーム開幕戦を迎えた北海道の先発はGK坂桂輔、FP室田祐希、FP木村優太、FP鈴木裕太郎、FP水上玄太の5人となっている。対する浦安は、GK税田拓基、FP長坂拓海、FP加藤竜馬、FP石田健太郎、FP滝田学のスターティングファイブとなっている。特徴的なのは、今季登録人数の少ないホームの北海道は、12人しかベンチ入りメンバーがいないこと。アウェイの浦安は14人がベンチ入りしていることだ。

 開始早々、両チームの7番がシュートを放つ。まずはセットプレーから北海道に復帰した室田がゴールを狙ったが、シュートを枠に飛ばせない。一方の浦安もGK税田のスロー、加藤のパスから長坂がゴールを狙ったが、こちらもシュートを決められなかった。

 両チームがセカンドセットに切り替えた前半5分、浦安はカウンターに出るとFP東出脩椰がFP宮原勇哉に倒されて、FKを得る。後方から強く当たった宮原だったが、このシーンはラフプレーは取られずにイエローカードで済んだ。宮原がカードを受けてピンチを阻止した北海道だったが、このセットプレーから滝田のパスを受けた長坂にゴールを決められ、1点のビハインドを負うこととなる。

 さらに前半6分、浦安は右サイドで石田が木村をかわしたが、木村が背後から抱き着くような形で突破を阻止したが、公式記録では木村ではなく、室田にカードが出ている。

 試合を攻勢に進める浦安は、前半8分にも右サイドでFPアサノ竜也が反転シュートを放ったが、ゴール左へそれていった。なかなか攻撃の形が作れない北海道も、前半10分に室田がドリブルを仕掛けたが、最後尾の滝田に止められた。

 2点目を取りたい浦安は、長坂、石田がゴールを狙うが、シュートを枠に飛ばせない。同11分には、FP堀米翔太のパスからFP三浦憂がシュートを打ちに行ったが、長坂が阻止してシュートを打てなかった。

 北海道は前半6分29秒を残して5ファウルとなるが、室田にボールを集めながら攻めようとする。前半18分、北海道は堀米がFP藤山翔太のボールを奪ってドリブルでゴールに迫ろうとしたが、アサノの戻りとGK税田の飛び出しもあり、フィニッシュを決められなかった。同19分には室田が左サイドで1対1を仕掛けてシュートを放ったが、GKに止められる。さらに攻撃参加をしようとしたGK坂がミドルシュートを放つと、ボールに反応したGK税田が直前に水上とぶつかり、ボールを顔で受けて試合が止まる。

 プレー再開後、GK税田のスローをカットされて、北海道がカウンターを仕掛けるが、室田のループシュートはGK税田に再び顔で止められた。税田はこのプレーで倒れこみ、GK藤原潤が交代でピッチに入る。そのまま前半は藤原がゴールを守り抜き、浦安が1-0とリードして前半の20分を終えた。

 後半も立ち上がり、浦安がボールを握る。だが、後半2分に浦安の守備が空いたのを逃さずにGK坂がドリブルを仕掛け、FP西村啓にパス。西村もドリブルでボールを運んだが、最後にボールを踏んでしまう。しかし、これが絶妙なパスとなり、このボールを拾ったFP山本航平がシュートをゴールにけりこみ、同点に追いついた。

 さらに北海道は後半3分にも室田が左前方の水上にパス。ゴール前に折り返したボールに木村が詰めようとしたが間に合わず、得点は決められなかった。それでも後半5分、北海道は右サイドで水上が東出のドリブルをストップ。そのままドリブルでボールを運びシュートを放つ。一度はGK税田に止められるものの、こぼれ球を自ら押し込み、ホーム開幕戦でゴールを決めた。

 後半のスタートは悪くなかった浦安だが、GK税田のスローから左サイドを上がった加藤がパスを受け、絶妙な折り返しをゴール前に入れる。そこに長坂が飛び込み、2-2の同点に追いついた。

 後半7分には坂が攻撃参加して右サイドにパス。これを受けた鈴木がアウトサイドで難易度の高いパスを通そうとしたが、浦安の滝田がカット。滝田が蹴ったボールが無人の北海道ゴールの方向へ飛んだが、わずかに右へ外れていった。同8分には北海道がカウンターを仕掛ける。相手のパスをカットした水上が、1タッチでゴール前にパス。走りこんだ室田がシュートしたが、GK税田に防がれて得点にはできなかった。

 両チームがチャンスをつくるなかで、後半9分に浦安が美しいゴールを決める。自陣左サイドで長坂がキックイン。中央で受けた滝田が右へ展開。前方から戻りながらボールを受けた加藤が、すぐに滝田へリターンパスを出し、北海道陣内の左サイドへ走り出す。滝田はターンして、左サイドにいた長坂へパス。長坂は、自身の前にあるスペースに走りこんできた加藤へ1タッチでパスを出す。このタイミングで、右サイドでマークを外した石田がゴール前に走りこむ。加藤が左サイドから1タッチで入れたボールが宮原の股下を抜ける。そこにフリーで走りこんだ石田がゴールに蹴り込み、浦安が勝ち越しに成功した。

 今シーズン、FPガリンシャを獲得してピヴォを使った攻撃に取り組んでいた浦安だが、この試合はガリンシャが負傷で欠場。それによって、慣れ親しんだ戦い方ができたことが、ここでは奏功した。

 1点を追う展開となった北海道は、攻め込もうとするが、浦安もタイトな守備を見せる。後半15分には、三笠が高い位置でボールをカットしてゴール前にボールを入れる。これを原がトラップしてシュートをゴールに決めたが、トラップ時にハンドがあったとして得点は認められなかった。同16分には三笠が原にピヴォ当てし、落としたボールを再び三笠がシュートしたが、得点は決められなかった。

 北海道は後半16分、室田がドリブルからチャンスメーク。最後はゴール前に室田が走りこんだが、宮原が放ったシュートは右に外れていった。同17分には浦安がGK税田が素晴らしい飛び出しで相手の攻撃を止め、カウンターにつなげる。最後は加藤がシュートを放ったが、GK坂に防がれた。

 北海道は残り2分から木村がフライングGKとなりパワープレーを開始。19分には浦安の守備を崩したが、木村のシュートが枠を捉えられなかった。最後までパワープレーを仕掛けた北海道だが、同点ゴールを決めることはできず。浦安がアウェイで嬉しい今季初勝利を挙げた。

 勝利した浦安は次節、ホームでY.S.C.C.横浜と対戦する。敗れた北海道は次節もホームでボアルース長野と対戦する。

FutsalX選定 Man Of the Match
FP 加藤竜馬(バルドラール浦安)
2ゴールを挙げた長坂、決勝ゴールの石田とも悩んだが、同点ゴール、決勝ゴールと、難易度の高いパスをフィニッシャーに通した加藤の存在がこの試合ではキーになった。試合終盤の坂との1対1を決めていればなお良かったが、俊敏性を生かした守備や献身的なハードワークでチームを引っ張った。今季、リーグ屈指のプレーを見せているGK税田は、この試合も抜群の出来だった。

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