【日本代表】フットサル歴1年で代表候補入りのシンデレラボーイFP荒川勇気「チームメートも『まさか…』と」

【日本代表】フットサル歴1年で代表候補入りのシンデレラボーイFP荒川勇気「チームメートも『まさか…』と」

 フットサル日本代表は20日より、静岡県浜松市で4日間のトレーニングキャンプを行っている。合宿3日目となる22日には、合宿に参加した4選手が取材に応じた。

 四人目は、サプライズ招集となったY.S.C.C.横浜のFP荒川勇気。昨シーズンの開幕前に東洋大学サッカー部から横浜に加入したルーキーは、昨シーズンのFリーグ・ディビジョン1では20試合でベンチ入りし、2得点を記録した。この記録は、同じく昨季ルーキーだったFP小林拓夢(22試合3得点)、FP笠篤史(19試合7得点)、FP菅原健太(14試合2得点)と大きく変わらないものだ。

 小林は高校年代でU-18フットサル選手権に出場、笠と菅原も大学年代で大学フットサル選手権に出場した経歴がある。それだけに最もフットサル歴の短い荒川の招集からは、コーチングスタッフがかけるポテンシャルの高さへの期待がうかがえる。彼は、どのようにフットサルの道へと進んだのか。

SAL フットサルを本格的に始めて1年そこそこで日本代表に入りましたが、どんな気持ちですか?
荒川 初めて言われた時は、驚きましたね、正直。今回、(代表合宿に)来ている選手のなかでは、僕が一番、経験も浅く、フットサル歴も短いと思うので、ビックリしました。

SAL 仲間や家族の反応は?
荒川 ビックリしていましたね。チームメートもビックリしていました。「まさか、始めたてのやつが入るか…」という感じでしたね。

 SAL アドバイスをもらったりは?
荒川 フットサル的な理解度は高くないので、ピヴォとして前線で起点をつくり、行けるところは勝負をしてゴールを狙っていくようにと、チームメートたちに言われました。「そこはストロングポイントだから、積極的に出したほうがいいよ」と、チームメートには言われました。

SAL 実際にピヴォを始めてからも1年ですが、日本代表で練習をやってみて、新しい気づき、意識し始めたことなどはありますか?
荒川 日本代表では守備の面での要求が、強度なども求められます。自チームでもそこは要求されるのですが、(代表では)一つ上の要求をされるので、そこは今回の合宿で少し成長できたかなと思います。

SAL 樋口岳志選手にも聞いたのですが、旭川実業高校時代の同級生ですよね。初めてフットサルで一緒に戦うチームが日本代表となりましたが、どういう気持ちですか?
荒川 素直に、うれしかったですね。僕もフットサルを始めたのは、樋口選手の影響が大きいので。すごく昔から仲が良くて、「いつか同じチームでできたらいいね」と話していたのが、それが日本代表の活動で、まさか、こんなに早く一緒にできるとは思ってもいなかったので、素直にうれしかったです。

SAL 樋口選手の方が先にフットサルを始めて、U-20日本代表に選ばれたりしていましたが、そういうところから刺激になっていた?
荒川 そうですね。もともとはサッカーでプロを目指して大学までやってきたのですが、自分の目標には到達できませんでした。そんななかで岳志が日本代表で活躍しているのが、自分のなかではすごい刺激となったので、僕も目指してみようかなと。彼の影響は、やっぱり大きかったですね。

SAL 荒川選手から見て、樋口選手はどんな選手ですか?
荒川 足元の技術がすごく高く、パスも出せてシュートもあるので、すごく魅力的な選手です。高校の時からすごく上手で。僕はどちらかというと、前線で起点をつくる選手だったので、自分とは少しプレースタイルが違うタイプですね。

SAL 樋口選手がパスを出して、前線の荒川選手が決めるというパターンが多かったのですか?
荒川 高校時代ですか? そうですね。岳志が1.5列目くらいでパスを出してくれて、それに僕が反応してゴールを決めることが北海道時代は多かったですね。

SAL 代表でも、そんなプレーを楽しみにしています。
荒川 頑張ります(笑)。

FutsalX 初めまして。サッカーからフットサルに転向して、FWとピヴォという同じ最前線のポジションでプレーしていますが、フットサルにはオフサイドもありません。いろいろな違いがあると思いますが、最も適応が難しかったことはなんでしたか?
荒川 ボールの受け方ですね。サッカーでは、相手を背負ってボールを受けることがなくて、基本的に半身で受けることが多いので。でも、フットサルでは一度、背中にフィクソを置くことが多いので、やっぱりそこで最初は戸惑いがありました。

FutsalX そのあたりは、横浜で1年間プレーしてできるようになりました?
荒川 そうですね。それでFリーグでも何点か取れたので、少しは自信になっています。

FutsalX 大学時代は、東洋大学で現在も横浜でチームメートだった小林拓夢選手とツートップを組んでいましたよね?
荒川 そうですね。拓夢と組んでいました。

FutsalX 小林選手については、横浜の渡邉瞬GMが視察に行ってスカウトしたと聞いているのですが、荒川選手はどういう経緯で横浜に加入することとなったのでしょうか。
荒川 大学サッカーの関東リーグに、渡邉さんも見に来てくれていました。最初は拓夢をメインで見に来ていたのですが、以前から僕も拓夢に「僕もフットサルに興味があるんだ」っていう話をしていたので、そこで小林拓夢も渡邉さんに「こういう選手がいるんですけど」って話をしてくれて、それで渡邉さんにも、拓夢と僕を見に試合に来ていただいて、そこで「練習に参加しないか」と声をかけていただき、練習に行ってなんとか入団を勝ちとったという感じです。

FutsalX フットサルを始めるにあたって、代表入りというのも目標に置いていたと思いますが、イメージとしては、いつ頃、代表に入りたいと思っていましたか?
荒川 もちろん、早いに越したことはないとずっと思っていたんですけど、せいぜい2年くらいはかかるだろうなと覚悟していました。「(フットサルに)慣れるまで2、3年はかかるよ」と言われていたので。だから、僕のなかでは、代表に最初に入れるのは2年と思っていました。でも、そのなかで1年ちょっとで入らせてもらえたことは光栄なことでした。

FutsalX 実際に代表に入ってみて、感触はいかがですか?
荒川 いろいろエラーを起こしてしまうことも、まだ多々あるのですが、自分の勝負できるゾーンに入ったら、そこは代表でもどんどん持ち味を出していけるなということは感じました。

FutsalX 先ほど、守備の話もありましたが、ブルーノ監督が求めるプレーというのは、非常に細かいと思いますが、何かこれはチームに持ち帰ってプラスになるなと感じていることはありますか?
荒川 横浜でも、攻撃と守備のどちらも求められますが、特にこの合宿では守備の部分で成長できたというのは、すごく感じます。

FutsalX 横浜には小林選手や笠篤史選手といった同年代の選手もいます。彼らより先に代表に呼ばれたことでチーム内の争いも、一つ抜けたのかなと外からは見えますが、ご自身ではそうした感覚は持てていますか?
荒川 いま、「抜けた」とおっしゃっていただきましたが、まだチーム内では僕の立ち位置的には、そんなに良い方にいないと思うので、チームに帰ってからも争いは続きます。そこはしっかり、(代表に)選ばれたからといって天狗にならずに、しっかり気を引き締めて、代表で学んだことを、そのままチームにも還元できるようにやっていきたいです。

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