一方的な試合になる可能性もあった。Fリーグ・ディビジョン1のプレーオフ・ファイナル第1戦、ホームにバサジィ大分を迎えた名古屋オーシャンズは、開始20秒でFPペピータが先制点を記録した。
このまま一気に畳かけるかと思われたが、前半は結局、この1点にとどまった。
名古屋が先制点を取れば、もともと勝つしかない大分は、前に出てこなければいけない。しかし、その思いが名古屋が攻撃のアクセルを踏み切ることを躊躇させたのかもしれない。
吉川は、こう振り返る。
「もちろん、先制点は非常に自分たちをラクにするものなので、とても良かったと思いますが、その1点で前半が少し緩い入りをしてしまったのかなと思いますし、もう少しできた部分が、チーム全体としてあったのかなと思います。もちろん、明日も先制してという展開が理想ですし、そうならなきゃいけないと思うので。明日は、今日の反省を生かして、1試合を通して、40分間集中を切らさず、インテンシティの高いゲームをしたいなと思います」
2013-14シーズンのプレーオフ・ファイナルでは、第1戦で大分が7-6で名古屋を破った。しかし、その試合にすべてを出し切ったチームは、0-7と第2戦で大敗を喫した。
あの時とは大きく、状況が違いそうだ。
吉川は、「相手は3セットで戦っていますし、体力的には向こうが自分たちよりも残っていると思います」と言い、3セットで戦った大分以上に、名古屋の方が消耗はあることを認める。
だが、第2戦での勝利に自信を見せた。
「自分たちも1年間、フィジカル的にも良いトレーニングができていますし、セントラルでも2試合連続の試合は何度もやっているので、あまり問題ないかなと思います。その体力が消耗している、していないは、特に明日の結果にかかわってくるのか、ちょっと自分は分かりません。決勝なので、それ以外の部分がより勝敗を左右するかなと思います」。
引き分けでも優勝の決まる名古屋だが、絶対王者は勝利して3連覇を達成することを強く意識している。はたして第2戦は、どのようなゲームになり、最後に笑うのはどちらになるか。