(取材・文 座間健司)
府中アスレティックFCプリメイラの藤田実桜が、4月22日からスペイン女子1部のジムビー・ロルダンFSFもトレーニングに参加している。藤田がロルダンに到着したのは、チームが欧州女王になってから2日後だった。彼女がこの地に到着した時は、まだ王者の余韻が残っていた。
ロルダンはスペイン南東部に位置するムルシア州のトーレ・パチェコ市内地区名を言う。日本代表FP清水和也が所属するエルポソ・ムルシアの本拠地ムルシアらか車で約20分の人口約6,000人の地区だ。この地区名がそのままチーム名となっている。農業が盛んな地域で、チーム名でスポンサーの「Jimbee」はメロンなどを販売している。
ロルダンは、かつて女子日本代表FP吉林千景が在籍したチームで耳にした方もいるかもしれない。またヴォスクオーレ仙台で現在ゴレイロコーチを務めるキリアン・ベルモンテは、日本にやってくる前は同クラブを指揮していた。
ロルダンはスペイン女子1部にトップチームが参戦し、セカンドチームはスペイン女子2部に参戦している。1999年に創立されたチームは、2012-13シーズンからスペイン1部で戦っている。下部組織出身の選手たちを中心にしたメンバーで、1部昇格6シーズン目でクラブ史上初めてリーグ制覇を達成した。
2018-19シーズンはスペイン王者として、地元で開催された第3回女子フットサル欧州クラブ選手権に挑み、決勝でイタリアのキックオフC5を5-2で破り、欧州王者を勝ち取っている。5月に行われたロシアでの国際大会に参加した女子スペイン代表には、ロルダンからFPキャプテンのマイテ・マテオとFPコンスエロの2人が招集された。下部組織出身の地元育ちのメンバーで挑むという基本方針は変わらないが、ロルダンは、現在スペインの強豪クラブのひとつだ。
女子1部ではブラジル人4人を含め、5人の外国人選手が在籍するアトレティコ・マドリード・ナバルカルネロ、ブラジル人6人など7人の外国人選手がいるブレラらが強豪であり毎シーズン、優勝候補の筆頭だ。実際、今シーズンは1部16チームのリーグ戦で26節終了時点で1位ナバルカルネロ、2位ブレラが72と同ポイントで並んでいる。ロルダンは、勝点50で4位につけている。