[12.3 国際親善試合 日本 1-9 スペイン マドリード]
それは、さらなる飛躍が大いに期待されていた時期だった。
2018-2019シーズン、FP八木聖人は絶大な存在感を見せて名古屋のFリーグ優勝に貢献。さらにJFA第24回全日本フットサル選手権大会でも、タイトルをつかみに行っていた。しかし、準々決勝のバルドラール浦安戦で負傷。右膝外側半月板損傷と診断され、手術を行い、長期離脱を余儀なくされた。
そこから懸命なリハビリを続け、Fリーグの舞台に戻った八木は、徐々にコンディションを高めていった。そして今回のスペイン遠征で、再び日本代表に復帰した。
「負傷をしてから初だったので……。最初の1試合目は自分のなかで国歌を歌った時は感慨深かったですね」と話した八木だが、世界トップレベルの相手であるスペインは、灌漑に浸っていることを許してはくれなかった。
「フィジカルの部分は、(名古屋との差を)そんなに感じませんでした。コンタクトの部分では変わらないと思います。最後のところでグッとくる一歩は、スペインの方が圧力は全然ありましたね」
ドリブルでボールを運び、個の力を見せる場面も何度かあったが、2連戦では得点に絡めなかった。チームも0-3、1-9と敗れ、力の差をまざまざと見せつけられた。
現在の日本代表では、FP加藤未渚実がチームの中心選手として活躍をしている。彼もまた大きなケガから戻ってきた選手だ。今遠征のメンバー発表の際、ブルーノ・ガルシア監督は八木について、その加藤同様に負傷する以前から期待を寄せていた選手と説明した。AFCフットサル選手権に向けても、チーム内競争を激化させられる存在だろう。
負傷した際は、日本代表で再びプレーする自身の姿を「あまり見えていませんでした」と振り返るが、代表選手として戦いたいという思いは、この遠征を経て強くなったという。
「また代表に呼ばれるためにも、負傷した時からと同じように、またチームに戻ってこれまで取り組んできたことをやって、積み重ねていきたいと思います」