【タイランド5s】イラン戦後 鈴木隆二監督のコメント「とにかく可能性を多く秘めた世代」

【タイランド5s】イラン戦後 鈴木隆二監督のコメント「とにかく可能性を多く秘めた世代」

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 大会前、U-19世代を中心としたフットサル日本代表には、懐疑的な目が向けられていた。「Fリーグにも出ていない選手が多いのに、日本代表を名乗っていいのか」「そこまで敷居を下げるべきなのか」。タイ、カザフスタン、イランを相手に大敗を覚悟していた人は多かっただろう。しかし、実際には大敗を喫したのは2戦目のカザフスタン戦だけ。初戦のタイ戦は2-2で引き分け、3戦目のイラン戦はチャンスの数では、むしろ日本が上回っていた。果てしない可能性を秘めた若き日本代表チーム。彼らのポテンシャルを引き出すために、スペインから帰国して指揮を執る鈴木隆二監督に、イラン戦後、大会を振り返ってもらった。

 

以下、試合後の公式会見での鈴木監督コメント

――この試合を振り返ってください。
鈴木 格上の相手に対して、前回のカザフスタンを相手にうまくいかなかったいろいろなことがありますが、それを今回は勝負を挑める、戦えるというところまでは、持ってくることができたかなと思います。

――これからの日本フットサルチームの目標は?
鈴木 日本フットサル界としては、将来、世界のトップクラスと対等に戦い、勝利を収めるのが目標です。

――3試合をやってみて、U-19世代についての感想を聞かせてください?
鈴木 もう、とにかく可能性を多く秘めた世代であり、選手たちということだけです。

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以下、個別取材での鈴木監督コメント

――カザフスタンとの試合では戦う姿勢が伝わりにくい部分もありましたが、今日の試合は気持ちが前面に出たプレーが見られました。
鈴木 こういう試合を通して選手は成長していくものだと思います。タイ代表とああいう試合をして引き分けたのも彼らの実力です。カザフスタン戦については、オーバーエイジの選手以外は、あの強度の試合を連日でする経験をほとんどしていない状況でした。その中で、グループ戦術、それから個人戦術のところで、ヨーロッパの3位の国に対して、対応する力がなかった。ゲームが崩れかけたときに、それを修正する力がなかった。それはカザフスタン戦に関しても僕らの実力です。1日準備期間を経て、リカバリーを含めて、イランと対戦するのはわかっていたので、そこに対してスカウティングと、どういうことを修正していかないといけないのかは対策しました。U-19の彼らにしっかり抑えてもらいたい攻守においてのコンセプト、戦う姿勢を含めてですけど、そういったものを飛ばさずに、今日ああいう形で試合ができたことは、カザフスタン戦から比較すれば、一歩先に進むことができたかなと思います。ただ、結果という意味では、間違いなく得点チャンスはもっとありましたし、失点場面も自分たちのミスで失点した場面もありました。そこは課題がまだある。そういう状態の中でも、選手たちが『これでもか、これでもか』と求める気持ちを持って戦ってくれたことは、選手たちにしっかりと良いプレーをしてくれたと伝えたいと思います。

――カザフスタン戦後に修正した具体的な内容は、どういうものだったのでしょうか。
鈴木 個人戦術、技術のところは、この活動がスタートした初日から取り入れましたが、それを2人、3人、4人というグループ戦術に発展させていくところで、どうしてもカザフスタン戦は時間がなかったので、なかなか全体の共通意識を対戦相手に合わせて戦い方を変える、状況に対応するというのは難しかったです。この試合に向けては昨日1日あったので、相手のイランのディフェンスの特徴から、どういうところがチャンスになるのかを個人戦術、技術、それからグループ戦術の両方から確認しました。昨日のリカバリーメニューを通しながら、攻守において少し確認をした感じです。

――監督の采配も過去の2試合とは違い、使う選手を明確にしていました。
鈴木 すべての選手にいろいろな可能性があります。この試合に関しては対戦相手がイランということで、勝負を挑んでしっかり勝ち点を取ることを目的にしていました。結果としては満足していませんが、この活動期間内でイランを相手に挑めるかなという選手を今日に関しては多く起用したところです。ただ、他の選手が決して、そのレベルにないというわけではありません。こういう1試合1試合が生き物で、選手はピッチにいながら成長できますし、変化もしていきます。出ている選手だけではなく、出ていない選手、彼らを含めて全員が日本代表です。それはベンチ、またはハーフタイムの更衣室で選手に伝えました。試合のプレーについては多く出た選手もいれば、出なかった選手もいたと思いますが、決して、その選手だけで日本代表が構成されるわけではありません。全体として上がって行くからこそ、日本代表が強くなると思うので。ただ、その中で勝負をしなければいけないのも、また日本代表です。その辺は今回のこの活動期間の短い期間の中で、自分自身で判断したことでもあります。

――米田選手を使わなかったのは、帰国して大学選手権が控えているということもあったのでしょうか?
鈴木 そういうことはありません。1回1回が真剣勝負なので、そういうことは考えていませんでした。

――イランは選手が10人しかいなかったことで、日本にアドバンテージはあったと思います。それでも、W杯メンバーのイランを相手に、競る試合ができたのは驚きで、可能性が見えた試合でした。
鈴木 本当に彼らは可能性の塊です。自分自身、スペインから日本に戻ってきて、彼らの可能性を可能性で終わらせないということに、全身全霊をかけています。目標は、やっぱり彼らの世代から次のW杯に入っていく選手が出てくること。その過程の中に、来年のU-20のAFCフットサル選手権があります。そこでしっかり結果を残せるグループをつくっていくために、最後のイラン戦をどういうふうに戦わないといけないのか。この貴重な機会をせっかくいただいているので、何としても生かさなければいけないという気持ちがありました。その可能性を可能性で終わらせないために、一つ丁寧に、しっかりとやっていけたらいいかなと。その一歩として、今回の活動で少しはできたのではないかと思います。

――できたことがあった一方で、課題も出ました。個人的に気になったのは、1対1での決定力の差です。清水選手にしても、Fリーグでは絶対に決めているような1対1を外す場面が目立ちました。彼だけではなく、この1対1で決めきれなかったのは、どこに要因があったと感じましたか?
鈴木 やっぱり選手というのは、ピッチの中に入ったら動物的な感覚というか、本能的な感覚でプレーするものだと思います。そこで普段できていたものが…というところに関しては、今回のこのレベルの対戦相手は、普段、日常的に対戦している相手ではないので、そういうところは影響しているのではないかなと思います。今回、そういうチャンスを生かせなかったところは、現段階でのレベルがそこだとしっかり認識して、この感覚を忘れないように、しっかりしながら、これからの練習、Fリーグ、それぞれの勝負の舞台で取り組んでもらえたらと思います。

――初代表組のゴールがなかったことが、非常に残念でした。
鈴木 そうですね。こういう悔しい想いがあるから、次に挑戦する、立ち向かうという強いモチベーションになります。残念なというよりも、とにかく前へ、前へと。次は彼らがゴールを決めるんだと。次の活動からはオーバーエイジはいません。彼らが本当にやらないといけない。そういう意味では彼らオーバーエイジの2人は、本当に新しいグループ、全然違う世代の代表に入り、それぞれのリーダーシップを、それぞれの形で、ピッチ内外で発揮してくれたと思うので、彼らには感謝しかありません。

――残り1分40秒でU-19の選手だけにしたのは、そうしたメッセージもあったように感じました。
鈴木 やっぱり試合の中で、一昨日の試合もそうですが、どこかで彼らが自分たちでコントロールしないといけないという気持ちもありました。安定した試合展開であったり、勝っている時間帯ではなく、ここは頑張らないといけない、踏ん張らないといけない、ここが勝負どころだというところで、U-19世代の選手たちにトライしてもらいたいという意図があり、やった感じです。

――今回、代表に選出されずに悔しい想いをした同世代の選手たちもたくさんいます。今後は彼らのアピールもあるでしょう。そこで最後に、今後の活動に向かうにあたって、一言お願いします。
鈴木 日本代表というところは、悔しい想いとか、いろいろな想いが入り混じります。日本を代表するグループなので、悔しい想いをする選手も、そのときはうまくいったと感じて次の課題を見つける選手も、プレー時間が短かった選手も、プレー時間がなかった選手もいます。そういう選手がいろいろな感情、強い気持ちを持ちながら、取り組み続けることが最終的に日本代表を強くすると思います。今日、この活動が終わって、次のプロジェクトに向けて、またあらためて総括をしなければいけないこともありますが、今回この代表に関わってくれた、日本を代表した選手たちはここでしか体験できない、そういうものをしっかり得てくれたんじゃないかなと思うので、それをそれぞれの勝負の舞台、Fリーグであったり、大学リーグであったり、そういうところに戻って、自分がイランとか、タイとか、アジアのトップに対して、こういうプレーができたのだというのを、謙虚な気持ちを持ち続けながら、Fリーグの先輩たちにも勝負を挑んでもらえたらなと思います。
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