文◎河村崇之(神戸大学)
写真◎河野真衣、藤浪孝将(ともに同志社大学)
関西大学フットサル界を牽引する同志社大学と神戸大学の定期戦・「同神戦」が17日、開催された。
過去3回の対戦成績は両者1勝1分け1敗。完全にイーブンの状態で、雌雄を決する戦いが行われた。
先行したのは昨年9-2と大勝を収めた同志社大だった。立て続けに3得点を挙げ、試合は早々に決着したかのように思われた。
しかし、前半のうちにFP大沢健太のゴールで神戸大が1点を返すと、鋭いカウンターの応酬が繰り出されるオープンな展開に。無理に攻める必要のない同志社大を、神戸大がせめぎ合いの展開に持ち込ませる奇妙な内容で前半を終えた。
オープンな展開は後半も続く。後半開始早々、神戸大FP樋口岳が強烈な左足ボレーを沈めると、負けじと同志社大FP牧角脩平がカウンターから追加点を奪う。
ここから試合は一気にヒートアップ。牧角のゴールから28秒後に神戸大FP山上遼太郎が3点目を奪う。すると、その30秒後に、今度はその山上のパスから樋口がこの日2点目となる同点弾を叩き込んだ。
プレーイングタイム、わずか1分強の間に2つのゴールを奪い、ムードは一気に神大のものに。しかし、反撃はここまでだった。FP加藤章太と、FP岡崎佑亮の2点目のゴールで同志社が再び突き放し、試合を決定付けた。
敗れはしたものの、大量ビハインドを負った試合をテンションの高い内容に持ち込み、一時は同点に追いついた神戸大の試合運びのパターンの多さは見事。とはいえ、経験の浅い選手が多く出場していた影響からか不用意な失点が多く、今後は相手の出方を必要以上に窺うような試合への入り方を修正する必要があるだろう。
一方、同志社大にとってはセーフティーに進めるべき試合を、相手のペースに合わせてオープンな展開に持ち込んでしまったことには不満が残る。とはいえ主将の岡崎を中心に要所を締めるプレーが光り、同神戦を盛り上げるような真っ向勝負で関西王者に勝ったという事実は、チームにとって大きな財産となるのではないだろうか。
4回目の開催を迎えた同神戦は、年々入場者数を増やし、今年は153人が来場。昨年に比べて45人増えた観衆が来場し、大学フットサルの明るい未来を予感させた。