【日本代表】紅白戦で2人退場の異常事態 ただならぬ緊張感で国内合宿を打ち上げる

【日本代表】紅白戦で2人退場の異常事態 ただならぬ緊張感で国内合宿を打ち上げる

 フットサル日本代表は16日、午前と午後の2部練習を行い、AFCフットサル選手権トルクメニスタン2020東地区予選に向けたトレーニングキャンプを打ち上げた。明日17日にはオルドスに向かうが、チームには通常とは異なる緊張感を抱えての出国となりそうだ。

 前日から足に違和感を抱えていたFP森岡薫は、午前と午後の練習を回避。残りの13選手がハードなトレーニングをこなした。

 午後の練習も通常どおり良い雰囲気のなかで始まった。ウォーミングアップの後には賑やかにペラドンの組み分けが行われ、ペラドンの最中にもルーズボールをめぐり、ラグビーのスクラムを組んで盛り上がるような場面があった。

 シュート練習やパワープレーの攻守の確認といったメニューが消化され、「これが最後のトレーニングだ」と、ブルーノ・ガルシア監督は最後に紅白戦を行った。紅白戦は最初の10分間をランニングタイムで行い、最後の5分間はプレーイングタイムになるという変則的なもの。最後の5分間は、負けているチームがパワープレーを行い、スコアがイーブンの時は両チームがパワープレーを行うという戦術確認の要素もあるものだった。

 紅白戦の組み分けは、以下のとおり。

Aチーム 関口、安藤、皆本、吉川、森村、清水

Bチーム イゴール、滝田、西谷、仁部屋、室田、加藤、星

 日本は世界的にも守備力が評価されているチームだが、そのチームの紅白戦ということもあり、なかなか決定機ができないまま時間が過ぎていく。Bチームが攻撃し、決定機がつくられかけたタイミングで、吉川がプロフェッショナルファウルで止める。ファウルカウント3つから始められた試合で、このファウルによりAチームのファウル数は5つとなる。

 その後、ファウルかと思われたが笛が吹かれない場面が何度かあり、少しずつBチームにフラストレーションがたまっていったなか、FP森村孝志に後方からのファウルを受けたFP滝田学が倒され、Bチームに第2PKが与えられる。これをFP加藤未渚実がシュートしたが、GK関口がセーブした。

 残り2分を切ったところでブルーノ監督は試合を止めて、指示を送る。その後、試合が再開したが、今度はAチームがBチームのパワープレーを防ぎ、吉川がカウンターを仕掛ける。そこをFP室田祐希が後方からプロフェッショナルファウルで止めると、Bチームのゴールが無人だったことから退場を宣告される。そして3人のFPとなったBチームは、GKイゴールを中心に、しっかりと対応していく。しかし、残り28秒のところでセットプレーを与えた時に事件が起きた。ブロックに入ったFP清水和也に対して、守備で対応していたFP星翔太が肘打ちをする。顎を抑えた清水が、その場に倒れこんでしまう。

 この行為にキャプテンの吉川が激怒。星にピッチから離れるように叱責すると、星もブロックがあったと反論し、ピッチにはただならぬ緊張感が走った。清水はこのままプレー続行せずにベンチに退いたが、3人を相手に5人で攻めたAチームも得点を奪えずにタイムアップを迎えた。

 その後、選手たちは円になってクールダウンを行った。通常では、最後にブルーノ監督が一人ひとりとタッチを交わしてねぎらうが、この日はそれも行われず。円陣を組み、「1、2、3、日本」という恒例の掛け声もないまま、集まった約40人のファンに挨拶をした。

 ただならぬ雰囲気のなかで練習は幕を閉じたが、その後、緊急で選手たちだけでミーティングが行われた。ミックスゾーンには、ブルーノ監督は通訳を務める小森氏と同じタイミングで出てこなかったため、コメントを取れず。吉川キャプテンは、他の選手のコメントを集めている最中に出て行ってしまったことから、話を聞くことができなかった。

 ロッカールームから出てきた星は、「僕が120%悪かったので、今日は勘弁してください」と言い残し、ファンゾーンへ向かった。顔を打たれた清水が「問題ないですよ」と、プレーに支障がないと明かしたことが、せめてもの救いだろう。

 前回のW杯予選を兼ねたAFCフットサル選手権ウズベキスタン2016では、チーム内の雰囲気が緩かったといった話や帰化選手と日本選手の間に溝があったという話も出た。

 今回のチームは、国内で行われたタイとの親善試合の初戦で苦汁をなめ、切り替えて臨んだ二戦目で勝利。ここで一丸になったかと思われていたが、出国直前のチームはお世辞にも良い雰囲気とは言えないものとなってしまった。

 いつになく重たい空気のなか、練習会場を後にしたフットサル日本代表。マカオ代表、韓国代表との試合以前に、自分たちの問題を解決しなければならないだろう。

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