U-19の選手たちを中心に選出された今回のフットサル日本代表。彼らにフットサル日本代表とは何かを教える、いわば『教育係』の役割も兼ねて、代表メンバーに名を連ねたのが、FP皆本晃(府中アスレティックFC)とFP仁部屋和弘(バサジィ大分)の2人だ。約1週間の共同生活、そしてW杯に出場する3カ国の対戦を通じて、彼らが若手に伝えようとしているものは何かを聞いた。
以下、インタビュー
――若い選手たちの中で過ごした3日を振り返って、どんな印象ですか?
仁部屋「めっちゃ楽しいですよ。楽しいというか、良い勉強になっています。この世代の選手たちとあまり話す機会はありませんからね」
――能力的にはどういう印象を受けていますか?
仁部屋「ワチャワチャしているな、というイメージですね。若いときは、僕もそうだったのですが、とにかく走って、とにかく何でもかんでも行ってしまうので。それが良いところもあるのですが…。ただ、個人のスキルにかんしては、みんな高いものを持っているなと感じました」
皆本「いや、まだわからないよね(苦笑)。それはやっぱり試合をやってみないとわからないと思うし、試合で力を発揮できなければ意味がないから」
仁部屋「厳しい! 厳しいっすね」
皆本「それはそうでしょ。オレが厳しくするから、仁部屋が優しくしてあげて」
仁部屋「はい!」
――アメとムチの関係が出来上がっていますね。今回の活動をつうじて、2人が若い選手たちに伝えたいと感じていることは何でしょうか?
皆本「細かい部分は、なかなか教えきれません。ファーストディフェンダーの寄せる速さ、圧力、切り替えの部分だったりを強く示していますが、全部が全部、言えるわけではありません。ただ国際試合とか、代表チームにとって一番大切なのは、そういう部分かなと思うので、そこはしっかり言うように、むしろそこだけは最低ラインで絶対やらなければいけないと伝えるようにしています」
仁部屋「僕は鈴木監督のやった2対2の紅白戦とか、そういうのでより早く溶け込ませられるような、橋渡り役というか、そういう役割だと思っているので。僕も鈴木監督の下でプレーするのは初めてですが、その意図していることを早く理解して、示していけたらなということは意識しています」
――個別に選手を呼んで、話をしている姿が多かった印象ですが、その意図は?
仁部屋「そうですね。(監督が)2人の関係を重要視していたので、そういう部分で『こういう風にした方がいい』『こういう風にしてほしい』ということは伝えました」
――明日の試合は、2人が大変お世話になった監督の率いるチームとの対戦です。特別な思いはありますか?
皆本「もちろん、お世話になったから勝たないといけません」
――今日の練習を見ていると、なかなか大変なミッションになりそうですね。
皆本「もちろん、それは予想してきていますし、逆にそのためにオレらは来ていると思っているので、しっかりと自分たちに託された仕事をやりたいと思います。オレたちはやっぱり結果にこだわってやらないといけない。それが代表チームだと思っています。彼(ミゲル・ロドリゴ監督)のタイ代表も始動して最初の試合ですし、それが転機になるようなゲームにしてあげられたらなと思います」
仁部屋「いろいろ難しいというか、こういう(U-19が中心の)状況ですが、やっぱり周囲からは代表チームとして見られています。こういうところで勝つ、負ける、というのは大きいと思うので、どういう状況であれ、勝たせられるように。良いプレーをしたいと思います」