【親善試合】敗戦を重く受けとめるFP森岡薫「タイのベテランはしっかりと試合をコントロールできていた」

【親善試合】敗戦を重く受けとめるFP森岡薫「タイのベテランはしっかりと試合をコントロールできていた」

[9.23 国際親善試合 日本 1-2 タイ アオーレ長岡]

 日本代表は23日の国際親善試合となったタイ代表戦に1-2で敗れた。実に9年ぶりとなるタイ代表に対する敗戦は、2012年に日本代表入りをしたFP森岡薫にとって初めての屈辱だった。

 試合を振り返り森岡は「自分たちも悔しさしかありません。この雰囲気をつくってくださった皆さんがいて、見に来てくれた人も、90%以上の人たちが、今日は負けないだろうと見ていたと思うので、その期待を裏切ってしまった悔いがめちゃめちゃあります」と唇を噛んだ。

 試合を見れば、日本はボールを長い時間にわたって保持することができていた。守備でもセットプレーから2失点を喫しただけ。決して悪いことばかりが起きていたわけではない。

 だが、この負けは危険なのだ。2016年のAFCフットサル選手権でも、日本は同じような試合をしてベトナムにPK戦の末に敗れ、気持ちを切り替える間もなく行われたキルギスとの試合に2-6で惨敗して、W杯の出場権を逃した。

 こうした試合をなくすために、招聘されたのがブルーノ・ガルシア監督だったはずだけに、なおさらショックは大きい。

 日本のフットサルは、ピヴォ当てを軸にしていた。というよりも、それしかなかった。まるで00年代のサッポ・ジャパンを見ているようだったが、森岡はピヴォ当てを繰り返していたこと自体には、問題がないという。

「戦術として、ピヴォ当てが入らなければ、クワトロになるんです。でも、今日はピヴォにボールが入っていたので、あえてクワトロにする必要がなかったというか。ピヴォ当てができないなら、そこからクワトロとかいろいろな動きを入れる必要はあるのですが、ボールは入っているし、収まっていた」

そして、問題点については「そのあとの動きですね」と指摘した。

「チャンスはつくれていたので、もう一つ動きが足りない部分があったのかなと感じています。攻撃が単発で終わってしまう。僕がピヴォで預かって、振り向いて、あるいは落としてシュートというより、もう一つさらにハードワークが必要なのかなと思っています」

実際、ピヴォにボールが入った後、そのピヴォに3人目が絡む動きなどは少なかった。ピヴォ当てでボールを前進させても、そこからの攻撃にエネルギーがない。守備を固めるタイからすれば、ピヴォを潰せば日本の攻撃を凌げるので守りやすい。ピヴォの選手にしても、自身にマークが集中する状況では、いくら個の力が高くても、ゴールを奪うことは簡単ではない。

 チーム最年長の森岡は、経験のあるはずの自分たちが、この状況を打開できなかったことを悔しがる。

「タイのベテランはしっかりと試合をコントロールすることができていたなと感じることがありました。(タイ代表が)うまくなったというより、向こうはベテランがしっかり結果を出せたというところですかね」

「特にベテランは、ベテランらしいプレーをしないといけない。若手じゃないと思いますよ。その責任。ベテランが言い訳できないところまで来ているので。それは感じますね」

 7月以降、代表の常連組と経験の浅い組でチームをつくってきたブルーノ監督が、この敗戦で主軸メンバーを変えていくことはおそらくないだろう。だが、3年前に日本フットサル界を失望させた面々は、チームを全力で支えた長岡の人たち、そしてチームを応援している人々を失望させた。

「名古屋で借りを返してやろうという気持ちはもちろんあるのですが、今はまだ処理しきれていない部分があります。この結果は僕にとって、大きいので。やっぱりフットサルを普及したい一人の選手として、こういった結果はあってはならないなと感じていますし、責任を感じています。いろいろな意味でも、思うことはあります。でも、時間は待ってくれないので、またしっかりリカバリーして、最終的に良い結果で圧倒できるような内容と結果になるようにやっていきたいです」

 試合直後、森岡はその悔しさを言葉にしたが、日本フットサル界を再び大きく前進させることができるのは、代表に選ばれている彼らだけだ。名古屋での第2戦はもちろん、その先に続いていく戦いでも同じこと失敗は許されない。今回は中1日ある。キルギスに惨敗した3年前とは違う日本を見せられなければ、彼らは後進に道を譲るべきだろう。

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