【AFCクラブ選手権】清水や平田の可能性に言及するFP星翔太「世界的に見ても異質になれる」

【AFCクラブ選手権】清水や平田の可能性に言及するFP星翔太「世界的に見ても異質になれる」

8.17 AFCクラブ選手権決勝 名古屋 2-0 メス・サンガン バンコクアリーナ]

 日本フットサル界にとってAFCフットサルクラブ選手権タイ2019は、きわめて大きな意味を持つとなった。名古屋オーシャンズが優勝を飾り、大会MVPに吉川智貴(名古屋)、得点王に清水和也(タイ・ソンナム)と、フェアプレー賞を除くタイトルを、日本が総なめにしたのだ。

 大会開幕直後から、「今大会を自分の大会にする」と語っていた日本代表FP星翔太にとっては、思い描いたような大会にはならなかった。それでも、今大会で長時間の出場時間をつかみ、自身のキャリアに欠けていたクラブチームでの大陸タイトルを獲得した星翔太には、2020W杯での活躍を目指す自身が、どのような道を進むべきかが、明確に見えたようだ。

以下、メス・サンガン戦後のFP星翔太のコメント

――優勝の感想を聞かせてください。
星翔太 もちろんW杯はありますけれど、一番、自分が選手として取りたいタイトルをとることができました。それはすごく嬉しいですね。

――2回目の対戦となったメス・サンガン戦も難しかったですね。
星翔太 難しかったですね。ただ、事前のコメントでは、「まだ私たちには出してないものがある」ということを言っていましたが、結局、変わっていなかったので、予想通りのところはありました。彼らのほうが予選ですべてを出し切り、僕らのほうも後半に苦しい時間帯がありましたが、メリットは僕らのほうが大きかったと思います。

――前の試合も今回も、右サイドから先制点を挙げました。ロングボールに対して、2人走りこむと数的優位がつくれていましたね。
星翔太 それは狙っていましたね。ただ、今日の先制点に関しては、(水谷)颯真の粘り強さがあって、それがあったからこそ、マサ(平田ネトアントニオマサノリ)が粘れた部分があるので。でも、マサの仕事も、颯真の仕事も素晴らしかったと思いますし、彼らがあの決勝でそういうプレーをするのは、優勝するには必要じゃないですか。そういう若手の活躍が必要だったので。それは良かったなと思います。

――Fリーグではなかなか出場時間が短いなか、今大会であらためて出場してチームに貢献することの良さを感じられたのでは?
星翔太 そうですね。みんなに驚きがあるといわれるんですよね。日本にいる時より、2倍、3倍頼りになると言ってもらっています。それは日本代表でアジアを経験しているからこそだし、外国籍選手がいないぶん、やらないといけないのもあります。経験はあるので。それこそカミさんには「まだ名古屋の選手になれていない」ということは言われています。大会中も言われましたし、ガッツクところは、名古屋の選手の方が強いじゃないですか? 僕はどちらかというと頭を使って、「ここは無理しなくていいかな」となるので。そういう部分は、そういうプレッシャーもありましたし、いろいろな人の声があって達成できたと思います。昨年は全然、うまくいきませんでしたが、昨年の経験があったからこそ、今年はずっと試合に戦い続けられたので、名古屋に来てよかったなと改めて思います。

――メス・サンガンに2連勝で、しかも内容でも上回りました。イランも代表戦で次に戦う時、目の色を変えてくるでしょうね。
星翔太 それこそU-20日本代表でも負けていますし、今までタイトルを日本が総取りすることってなかったと思うんですよね。タイ・ソンナムの(清水)和也が得点王を取って、MVPも(吉川)智貴が取って、タイトルも僕らが取ったというのは、ちょっと彼らもあせると思いますし、日本のやってきていることが間違っていない証明になっていると思います。だからこそ、あらためてもっともっと上を目指さないといけません。僕も今日、あらためて点を取れなかったことを悔しく思っていますし、ほかの出られなかった選手たちも、何かしら心に持っていると思います。そういうところが名古屋の良さですし、日本人がどんどん伸びていかないといけないという思いにもつながると思います。そういう意味ではイラン以上にモチベーション高くやっていきたいと思います。

――序盤でゴールを取ったものの、だんだんゴールを取れなくなっていきました。
星翔太 自分の大会にしたいなというのは、チームを勝たせるために矢面に立つというのもありましたが、マサ(平田ネトアントニオマサノリ)も僕が点を取れない時に点を取ったり、アシストでは絡めていたので、自分の仕事としては最低限ができていたかなと思いますが、決勝は前半もチャンスがありましたし、後半もパワープレー返しができたと思ういます。そうすればもっとチームを楽にすることができました。そこは自分の実力のなさを改めて感じた部分です。年齢を考えると伸びる余地は少ないかもしれませんが、悔しさを味わえたことがよかったなというのもあります。

――試合に出たから得られたものですね。
星翔太 そうですね。Fリーグでももちろん感じていますよ。ヴァルチーニョが出て、ラファが出て、結果を残しているのに対して、自分はサードセットになるとか、マサが出るとか、それは感じています。でも、そこで腐るわけにはいかないですし、日々の練習で頑張らないといけません。この年齢で浦安でも味わえていたことはあったと思いますが、名古屋にきたからこそ味わえていること、伸びている部分もあるので。

――浦安では追う立場になることはありませんでしたからね。
星翔太 そうですね。今回のAFCフットサル選手権の優勝も、あくまでチームの結果ですし、個人としては悔しさを抱えて終われましたし、その悔しいという思いは、まだ選手としてやりたい欲求があるんだなと思えたので、それはポジティブなところでしたね。

――まだ伸ばせる可能性を感じられた?
星翔太 そうですね。伸びないといけないですし、結果を残さないと。それこそクラブはもちろん、日本代表を勝たせてW杯を取りたいなら、それをやらないといけないよねというのは、強く思う大会になりました。

――点には結びつかなかった一方、戦っている姿勢はすごく見えました。
星翔太 ここ3試合はピヴォとして仕事ができていないなと思っています。それはキープの部分とか、ゴールにつながるパスの部分、流れを作る部分で、まだまだだなと思うので、そこは冷静に今の自分の実力を見て、伸ばすべき部分を考えないといけません。ディフェンスは、間違いなく自分の武器なのですが、攻撃の部分で違いを出すのはずっと抱えている問題なので。でも、今までの大会よりはシュートに行けましたし、可能性は感じました。でも、もっと枠に飛ばして、ゴールでチームを助けることはしないといけなかったので、そこは自分にどんどんプレッシャーをかけて、やりたいなと思います。

――4、5年前にフィジカルをつけて、圧倒的な力を見せていた時期がありました。そこに戻ることは難しいのでしょうか?
星翔太 戻れますよ。ただ、もう自分のなかで、割り切っている部分もあるんです。

――それをやらないと、ラファ選手、ヴァルチーニョ選手とポジションを争えないのでは?
星翔太 ただ、日本代表が世界で戦ううえでは、その体だと、戦えなくなるんです。そこが難しい。自分の理想と現実みたいなのがあって。僕が26歳、27歳の時にその体にしているんですよね。それがもっと早い段階で、僕が最初からフットサルを始めていて、名古屋に来ていて、24歳くらいで名古屋にいたら、そうなっていたかもしれません。でも、結局、運動量とか、今の自分の武器を考えると、それを増やしても、和也とか、マサのようなプレーができるかというと、彼らのほうがメリットがすごくあります。

――勝負するところが変わってきているんですね。
星翔太 そうですね。彼らは今、日本で異質な選手になりつつあると思うんです。日本では異質だし、世界的に見ても異質になれると思うんです。前に張れるということで。僕はどちらかというと、頭を使ってアラに落ちたりもするし、4枚でもできるし、3-1でも前に張るという。その両方をやることが僕の仕事だと思っている部分があって。そこは振り切らないでいるのはあります。これが代表レベルでなく、国内で点を取るためであれば、体重を増やしてもいいんですよね。世界と戦ううえで、やっぱりディフェンスする時間のほうが長いので、それを考えた時に戻すのは難しいですね。

――ボールを回収するのが早くなれば、ボールポゼッションする時間は長くなりますよね?
星翔太 そうですね。だからポゼッションをする時に4枚になるのが、僕のスタイルだと思います。僕はアラにもなれるし、ピヴォにもなれるし、フィクソもできる。それが僕の武器になったので、それを突き詰め続ける。でも、名古屋に来たのはピヴォとして仕事をするためなので、ゴールを取るのは忘れずにやりたいです。

――試合に出ないと感覚も鈍りますよね?
星翔太 そうですね。でも、AFCクラブ選手権でそれなりに出られたのはよかったですし、リーグで引き続きできたらいいなと思います。結局、目の前の練習で勝てないと試合にはつながらないので。そこは今日はもちろん喜びますが、自分の頭のなかでは切り替えていて、そこをどうやったら点を取れるかに集中したいと思います。

――平田選手もいなくなり、出場時間も増えそうですしね。
星翔太 でも、そんなに甘くないですよ。国内は。アジアみたいにメンバーを絞ってきているわけではないですし、ラファとヴァルチーニョはワールドクラスなので。彼らを前にしても、結果を残すだけですよね。そこは自分に足りないところなので、そこをどん欲に突き詰めていきたいなというのは、この大会前から思っていたので、それをより出していければなと思います。アジアで厳しさを味わったので、国内で圧倒できればなと思います。

――また名古屋で圧倒しないとですね。
星翔太 ここからはどのクラブも、アジアで優勝したチームに勝てば、自分たちの名前を挙げられるから、今までと違うと思います。言ったら、もう大分と北海道は僕らに勝っているからOKとなりますからね。僕らはそのプライドを守るために、全試合、全力で臨まないといけません。去年は公式戦で2敗しかしませんでしたが、僕は今年、優勝するなと思っていたんです。昨年シーズンを通してAFCフットサル選手権でタイ・ソンナムに負けたのと、プレーオフで負けました。でも、今年はもうリーグ戦で2敗したので、絶対に負けないなと思っていました。あとはしっかり帰って、休養をとって、金曜日の試合に死に物狂いで頑張りたいと思います。

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