［8.17 AFCクラブ選手権決勝 名古屋 2-0 メス・サンガン バンコクアリーナ］
メス・サンガン・ヴァルザガンのイラン代表FPジャビッドは、準決勝のAGMK FC戦ではハットトリックを達成し、今大会「徐々にコンディションが上がってきた」と、自信を見せていた。しかし、決勝で彼は封じられる。名古屋オーシャンズのFP星龍太のマンマークは、彼をいらだたせ、多くのミスを誘発した。
攻撃の要が沈黙したメス・サンガンは過去２大会で初となるノーゴールでタイトルを逃すこととなった。
相手のエースを封じ切った星龍太は、日本代表の常連ではない。今大会の活躍を見た日本代表のブルーノ・ガルシア監督が、どのような判断を下すかはわからない。だが、その対人の強さ、ボールを前へ運べる推進力、普段からFPラファ、FPヴァルチーニョ、FPペピータとも練習から渡り合い、培われた外国人選手への対応力の高さは、現在の日本代表の中心選手の座を脅かすに十分だろう。
自身は日本代表に入らなくとも、「日本フットサル界に貢献できることはたくさんある」と語ったが、青いユニフォームを着る姿が見たくなる活躍ぶりだった。
今後、Fリーグで活躍し、代表入りに向けたアピールをしていく必要があるが、名古屋の4度のAFCクラブ選手権優勝すべてを知る男は、判定の基準が大きく異なるAFCフットサルクラブ選手権から、Fリーグへ、頭の切り替えが重要だと語っている。
以下、メス・サンガン戦後のFP星龍太のコメント
――4度目のAFCフットサルクラブ選手権優勝ですよね？
星龍太 全部嬉しいですし、全部、特別な思いがあります。どんどん記憶も記録も塗り替えられるので、僕のなかでも4度目の優勝は新しい優勝ということで、前の大会よりも鮮明に残っていくのかなと思います。次に優勝したら、そっちの方が記憶として残っていくのでしょうが、4回目の優勝が一番嬉しいなと思います。
――FutsalXに対して、海外メディアから「このチームはドリームチームと呼んでいいのか？」と問い合わせが来ましたが、キャプテンから見ていかがですか？
星龍太 そうなんですか（笑）。全勝優勝っていうのは良かったですし、記録としては残りますが、もちろん組み合わせもあります。もしかしたら相性の悪い相手もいたかもしれません。それはわかりませんが、優勝は優勝ですよね。前回のちゃんと40分で勝った試合が1試合しかないのも優勝ですし、全勝優勝も優勝なので、どっちも嬉しいです。同じくらい嬉しいです。
――今大会、名古屋のフィクソは守備はもちろんですが、攻撃面でも光っていました。MVPは吉川選手でしたが、だれがMVPでも不思議ではなかったかなと感じますが。
星龍太 そうですね。みんなMVPに近い活躍はしてくれました。それはもしかしたら日本のひいき目かもしれませんが、そのくらいみんな攻撃も守備も120%の力を出してくれました。これで満足しないで、僕たちはまた一歩能力的にもステップアップしたと思います。それをFリーグに還元したり、ここから日本代表じゃなくても、日本フットサル界に貢献できることは、たくさんあると思うので。僕たちがけん引していくことは必要かなと思います。
――とはいえ、日本代表も狙いたいのでは？
星龍太 もちろん、それはありますけど、選ぶ人が選ぶものなので。でも、プレーヤーとしてやっているからには、常にその気持ちは持っています。
――星龍太選手の1対1の強さを称賛する声が挙がっていますが、その部分で負けないところが、この完封勝利につながったと感じたのですが。
星龍太 僕のところがそうやって見てもらえるのは嬉しいですが、みんな部分的に頑張っていたので。コースを限定してくれるから、僕が勝てる部分があったりするので。僕がジャビッドとずっとやりあいましたが、それも周りのサポートがあったから、あそこに意識を集中できました。でも、イライラさせた僕の勝ちかなと思います。
――次、日本に戻ったら金曜日に試合なんですよね？
星龍太 相当、きついですよね。相当、きついです。だから、とりあえず外人2人に、日本に残っている2人に頑張ってくれと思います。しっかり休養をとって、調整もしていると思うので。僕たちの200%ぶんくらい走ってくれと思います（笑）。僕たちは頭を切り替えないといけません。体はもちろん重いと思いますが、この大会と同じように手を使ったり、押したりしたら、10個くらいファウルが重なると思うので。そういった意味でも、頭のチップの切り替えは大事ですし、それはすぐにやらないといけないことです。
――相手はアジア王者というつもり出来ますからね。
星龍太 そうですね。みんな、周りはモチベーションが上がるんじゃないですか？ 「勝ったら俺たちがアジアチャンピオンだ！」くらいの思いでくるんで。
――明日ちょうどFリーグで大分vs北海道というアジアチャンピオン決定戦があるんですよね。
星龍太 （笑）。うちに勝っている2チームですね。でも、絶対にそれはついて回ることですし、それは嬉しい悩みですよ。
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