【AFCクラブ選手権】失点を招いたFP水谷颯真を信頼するフエンテス監督「それも勉強」

【AFCクラブ選手権】失点を招いたFP水谷颯真を信頼するフエンテス監督「それも勉強」

[8.15 AFCクラブ選手権準決勝 タイ・ソンナム 1-3 名古屋 バンコクアリーナ]

 AFCフットサルクラブ選手権は15日、準決勝を行った。Fリーグ王者の名古屋オーシャンズは、タイ・ソンナム(ベトナム)と対戦し、3-1で勝利。3大会ぶりの決勝進出を果たしている。

 試合後、フエンテス監督に、この試合まで7得点を挙げて単独で得点ランクトップを走っていたFP清水和也を擁するタイ・ソンナムの攻撃陣をどのように止めようとしていたのかを聞いた。

 また、この試合で決定的なミスをしてしまった将来性豊かなFP水谷颯真についてもうかがっている。

以下、タイ・ソンナム戦後のフエンテス監督のコメント

──試合を振り返って。
フエンテス みなさんが見たとおり、タフで非常に難しいゲームでした。今はとても嬉しい気持ちでいます。この準決勝で、両チームによるフットサルらしいゲームができたからです。私たちも、対戦したチームも、しっかりとフットサルをやるチームだったので、戦術的、戦略的にも非常にタフなゲームでした。いろいろな状況のポイントをしっかり押さえ、相手を見極めて私たちが使う戦略を選ばないといけませでした。その駆け引きが非常に多くあった試合だったと思います。
 前半は先制点を取ることができて主導権を握ることができました。後半に入ると相手は点を取りに来ないといけない状況だったので、予想内でしたが、少し受け身になった時間帯もありました。それでもそこを耐えて、スコアをキープするという状況になり、守備に回ってもしっかりゲームをコントロールできたと思います。決勝戦に勝ち上がれて、嬉しく思います。

──グループステージから5試合すべて勝てていることでチームの成長を感じられていますか?
フエンテス 勝ち上がっていくほど、メンタル的にも、フィジカル的にも、戦術的にも、いろいろなところでタフになっていくのは確かです。チームの一戦目と今日の準決勝を見比べるとチームの戦い方、競争率、駆け引きがより増しています。この大会は短期間ですが、チームの成長が試合ごとに見られています。

──清水和也選手をどう抑えるかを注目していましたが、特に彼への対策というよりもプレッシングで抑えたように見えました。今日の戦術的プランはどのようなものでしたか?
フエンテス そうですね。守備のところでは、清水選手が良いピヴォだというのは十分に理解したうえでゲームに入っていました。まず高い位置にボールを入らせないようにして、私たちは前線からプレスをかけにいきました。うまくハマった時間帯もありましたが、後半ではそこでうまくいかなかくなった時に一度(プレスをかけるラインを)下げたんです。相手はボールポゼッションを高くしてしまうと、モチベーションを高めてくるチームでした。自分たちのフットサルができるということで、先手を打たれてしまうことを避けるためにも、私たちは最初からガンと前からプレッシングをかけて、相手のポゼッションというストロングポイントを消せるように、相手のボールを奪って、マイボールにする状況をつくる駆け引きをしていました。
 ただ、勝っている状況がうまれ、少しチーム内でもゆとりがあるという感覚が出てしまったと思います。一方で相手は、よりゴールを奪わないといけなくなり、そこでの差が開き、少しずつプレスが機能しなくなったので、ラインを下げて、よりコンパクトにマークをしようとしました。ですから、後半はどちらかというとスコアを維持する。そしてカウンターを狙うという考え方にしました。

――後半にプレスがかかりにくくなったのは、疲労かと思ったのですが、メンタルの部分でしょうか?
フエンテス いろいろな要素があると思います。ただし、メンタル的なところでいうと、私たちは勝っている状況でしたし、プレスが低下してしまうことは予想もしていました。ですからハーフタイムにも「ここで落とすなよ」という指示はしています。同時にセカンドプランも頭に描いていました。実際に思っていたとおり、プレスが少し緩くなってしまった時間帯がありましたので、一度ラインを下げたんです。そこには疲労という要素もありましたが、どちらかといえばメンタルの要素が強いと思います。ただ、私たちが引いたことで、選手たちは最後まで勝つために必要な最低限の戦い方を頭に入れて戦うことができたのでしょうか。それはもう一つ、この試合で私たちがステップアップできた時間帯でもあったのかなと思います。

――この試合でミスから失点を招いてしまった水谷颯真選手については、どういう声をかけますか?
フエンテス 大事な選手でも、経験のある選手でも、起きえるミスです。彼はおとなしい選手ですが、この大会中に自身の個性をすごく出してくれていると思っています。そのため何かを言うのではなく、彼に時間を与えたいと思います。ここで何が起きたかのイメージは、頭のなかに残っているでしょう。それについて今日1日は考えてしまうでしょう。それも勉強です。今大会の彼の姿勢を見ていると、明日になれば切り替えてくれると私は信じていますし、時間を与えて「誰でもそういうミスはする」と前向きにとらえてもらって、明日はまた切り替えて彼の練習の姿勢を見て、決勝に彼も一緒に向かっていければいいと思います。

――タイトルまで、あと1試合になりました。
フエンテス ここまで自分たちが戦ってきたのは、この決勝戦のためです。この瞬間のためですから、今はしっかりと体を休めて決勝戦へ向かいたいなと思っています。戦術的にも、戦略的にもいろいろな準備をしていくなかで、全力を出し切れたチームが決勝では最後に勝つと思っています。ですから、一つひとつの球際の勝負、一つひとつのディフェンスのところで、すべて出し切り、悔いがないようにしたいです。

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