[8.8 AFCクラブ選手権2019 第1節 名古屋 4-2 アルダフラ バンコクアリーナ]
今大会終了後、ポルトガルのADフンダオへの2シーズンの期限付き移籍が決まっているFP平田ネトアントニオマサノリにとって、名古屋オーシャンズの一員として戦う最後の大会が始まった。
名古屋が3大会ぶり4度目の優勝を果たせるかどうかは、背番号9を付ける若武者にかかっているところは大きい。2019-20シーズンのFリーグで、名古屋は78得点を叩き出しているが、そのうち43ゴールがFPラファ、FPヴァルチーニョ、FPペピータによるもの。通常、3人の外国籍選手を使って戦う名古屋だが、今大会は外国籍枠が一つのレギュレーションとなっており、名古屋は普段起用しているピヴォのラファとヴァルチーニョの計29得点コンビをメンバー外にしなければいけなかった。
そこで期待がかかるのが、ピヴォのポジションである日本代表FP星翔太と、平田である。
彼らにはゴールという結果はもちろんだが、同時に最前線で攻撃の基準点となるボールを収める力、そしてフエンテス名古屋の代名詞ともいえるハイプレスを機能させるための守備の急先鋒としての役割も求められる。
迎えた名古屋の開幕戦、フエンテス監督が先発に起用したのは、直近のFリーグ2試合に続いて平田だった。平田はその期待に応えるべく奮闘を見せて、果敢にゴールを狙ったが、この日はノーゴールに終わった。
「大好き」と公言する名古屋のユニフォームを着て戦えるのも、残り最少2試合、最大でも5試合となった平田に、初戦を振り返ってもらうとともに、今大会への意気込みを聞いた。
以下、アルダフラ戦後のFP平田ネトアントニオマサノリのコメント
――今大会を最後に名古屋を離れる平田選手にとっては、名古屋の選手として戦える残り試合を増やせるかどうかの戦いでもありますが、どんな思いで初戦を迎えましたか。
平田 毎年、毎試合、同じですが、「負けない」っていうことをどんな形でも良いから示す。「とにかく勝つ」ということだけです。
――これまでラファ、ヴァルチーニョに譲ることの多かった先発起用というのは、やはりモチベーションも上がるのでは?
平田 そうですね。やっぱりスタートで試合に入れるのは、常に嬉しいです。最初からプレーできるので、もっとそこで点を取って、流れを良く出来たらと思います。
――ちょっと全体的に堅かったですね。
平田 立ち上がりというか、前半ですね。前半にゴールが入るまでは、みんなあまりよくありませんでした。後半はしっかりみんな乗ることができて、みんないけていたので、昨年の大会よりはよかったです。
――立ち上がりがこうなった要因は、自分たちのやるべきことを考えすぎたのか、気持ちが空回りしたのか、緊張したのか、どれでしょうか?
平田 緊張もあると思いますし、あまり慣れていないピッチのことを気にしていたと思います。
――プレスにいつものようにいけていませんでしたよね?
平田 相手のゴレイロもボールを投げていたり、ロングキックをする機会が多かったので、それによって相手のプレス回避がうまくいっていました。それでも後半に入ってから修正したことで、そこが機能するようになっていきました。
――前半のうちに逆転できましたが、先制されてもひっくり返す試合が多いですよね。
平田 今年は多いですね。試合をしていくなかで流れがよくなっていく形ですね。自分たちが先制されて、苦しい展開になってきても、ひっくり返せるという自信は持てています。先制されてもシュートまでいくことはできていたので、それほど慌ててはいませんでした。
――今後、勝ち上がるためにはどれだけ点を取れるかはポイントになるはずです。平田選手の個人的な思いは?
平田 点に絡むことが、僕の一番の仕事だと思っています。アシストでもゴールでも、ゴール前でゴールへの意識をもっと出して、結果を残して優勝したいです。このタイトルを残して、次の舞台に行きたいと思っているので、ゴールを狙っていきたいと思います。