[8.4 U-18選手権決勝 町田U-18 3-2 大阪U-18 浜松アリーナ]
第6回全日本U-18フットサル選手権は4日に決勝を行い、ペスカドーラ町田U-18がシュライカー大阪U-18に3-2で勝利し、フットサルプロパーチームとして初の大会制覇を成し遂げた。
「甲斐修侍監督を胴上げしたい」。町田U-18の選手たちは、それを合言葉に今大会を戦い抜き、見事に悲願を成し遂げた。そして甲斐監督は自身の引退試合の時よりも、はるかに高く、若い選手たちの手によって宙に舞った。
決勝までコメントを取りに行くたびに「まだ何も成し遂げていないので、話すことは何もありません」と言っていた甲斐監督は、日本一に輝いた選手たちを称えつつも「でも、もっとできる」と、彼らのポテンシャルがもっと高いと話している。
以下、決勝後の町田U-18甲斐修侍監督のコメント
――やっと話す内容ができましたね!
甲斐 いや、ないですよ(笑)。話すことありません。
――決勝ではリードを奪い、しっかり勝つことができました。初優勝、いかがですか?
甲斐 長かったですね。この東京都予選から関東大会、全国大会の1次ラウンド、そして決勝トーナメントまでと。思い起こすと……すごい集中をした状態で1試合1試合を戦い、決勝の舞台に立てました。それだけの集中した時間、試合をやってこれた子供たちだから、「たくさんの試合の集中力を絶対にこの決勝で無駄にしたくない」という話をしました。これまでやってきた数々の試合、本当に気持ちを入れて、集中して戦ってきたなかで、今日の決勝は本当に一番良い緊張感をもって戦おうというところで挑みました。
――その言葉が実践できた試合だったのではありませんか?
甲斐 なかなかスコアが捗らなかったから、最後まで気が抜けないゲームだったところはありました。でも、決勝戦だから、そういう難しいところがあるのは想定していたので。まぁ、でも、もっとできるなって思いますね(笑)。
――大阪U-18のどこを警戒していましたか?
甲斐 うちの選手たちは、そういう意味ではプレスの強度も高く、誰が出ても強度を下げずに戦えると思っていました。なので、ずっと仕掛けられるような状況にはならないと思っていました。相手の状態によっては、良い状態の時に不用意に飛び込んだり、そういうエラーを起こさないというところで、みんな理解してよくやってくれたのではないかと思います。
――開幕前にお話を聞きましたが、毛利選手は先制点を取り、MVPも持っていきましたね。
甲斐 そうですね。彼にとっても大事な大会になったでしょうね。いやぁ、長かった。
――パワープレーですぐ失点したのは、パワープレーの守備の確認だったのですか?
甲斐 そうだね。1点差だったから。2点差だったらいらなかったかもしれないけれど、1点差だったし。特にエラーが起きたわけではなかったので問題なかったけれど、もう絶対に1点もやれないという状況もあったので、これは完全に確認をしておいて、誰が出ても統一できているようにしようと。3-3になったら、今度は俺らもパワープレーをしないといけなくなりますし、修正して、しっかりやろうと。あとはオフェンスの時間を結構、長く過ごせたので、時間もつぶすことができました。ただ、残り3秒までやらかしてくれたからね。あそこ(天井)に当てて。
――あ、終わったなと思ったら、ゴールクリアランスで勢いあるボールを天井に当ててましたね。試合がなかなか終わりませんでした(笑)。
甲斐 うん(笑)。
――(ピッチ内で町田U-18選手たちが円になり「カンピオーネ!」と回り出して)中3からずっと見てきた選手たちのこの姿には、感慨深いものがあるのでは?
甲斐 正直ね、試合が終わる前は、中3のころからのことを思い出して、一瞬ちょっと泣きそうになりましたね。
――その時からも長かったですね。
甲斐 そうだね。俺らは初めての全国大会出場で、このタイトルを狙える権利が初めてだったから。ただ、サッカーチームとのフィジカルの違いを埋めるためにという想定で、ボールを使わないトレーニングも多くやりました。でも、そうした練習にも、本当に嫌な顔をせず、ポジティブに続けてこれたことも、(優勝の要因に)あったんじゃないかな。
――そこを欠かすと、サッカーチームが多く出てくるこの大会は獲れませんよね。今回、大会を制しましたが、ここから毎年、勝ち抜かなければいけませんね。
甲斐 毎年、どのタイミングで出場しても難しい大会だと思います。
――本当におめでとうございました。